対面の暖かみ、テクノロジーの有り難み。


僕は老人ホームでケアマネージャーをしている。

今日は、新しく入居される方の面談だった。


その方がどれだけ動けるのか、
認知症状はあるのか、
医療的な注意点はあるか。

本人やご家族、関係者の方々に
その方の生活の情報を聞き取って、

どんな援助がいるか、
どんな補助具がいるか、
どんなお医者さんに診てもらうか、

その方の生活のお手伝い計画、
ケアプランを作っていくための面談。



今回面談させてもらったのは

自宅で一人で生活されてたけども、
肺炎を患われ入院、体力が低下。

病状は安定したけども、
自宅での生活が難しくなり、
一人暮らしを不安に思ったご家族が
施設への入居を考える…という、
言い方は失礼だがよくある流れの方。

(可能ならなるべく家にいるほうが、本人は幸せだと思うけど。色々事情があるものね。)


これまでは入居の面談と言えば
その方と対面してするのが普通で、

自宅におられる方は自宅へ、
入院中の方は病院へ、
その方と顔を合わせての面談が当たり前だった。

例えば、
息子さんは大阪に住んでいるけど、
入居する本人は千葉にいる。
一人で住む親が心配で
そろそろ自分の近くに呼び寄せたい…
という場合は、千葉まで面談に行ったこともあった。

もちろん滅多にはないけども、
たまにあるそういう案件も、
「千葉…マジでか…」と、
面倒ではあったけども、

「そうしないといいプランはできない!」
「お顔とお顔を合わせて…!」
「人と人との温もりが…!」みたいな
職人的な、盲目的な部分があったと思う。

全く疑問を持つ事なく、その通りにしてきた。


で、今回の面談は三重県。まだ近い笑
入院中なので、病院へ面談の調整を…

『コロナウイルスにて、ご家族ですら面会を制限している現状、面談も控えていただきたい。』

…そうか、なるほど、その通り。
と、今回は初めて電話にて面談をすることになった。


お電話にて本人さんと、
病棟の看護師さんから状態を聞き取り。

事前に聞く質問をリストアップしておいて、

『大丈夫かな、ちゃんと話が聞けるんだろうか?』
と多少ドキドキしながら電話して…


結果…、


もうお察しの通り、全く問題なし。

下手したら
往復込みで4.5時間かかっていただろう面談が、
30分で済んでしまった。

要因として、
『コロナだから対面が無理なのは仕方ない』
という共通の認識があったっていうのは
大きいと思う。

また、相手方に認知症状がないのも助かった部分。
(入居自体を知らされてない、伝えてても覚えていない場合とかもあるので…)

今日の面談で、おおよそのケアプランは作れる。


そりゃ、目で見ないと入ってこない情報もある。
声は笑ってるけど目が死んでる、みたいな事だってあるし。

でも逆に、
電話で面談ができる力がある、という指標にもなるし、

結局ケースバイケースにはなると思うけども、
今後、面談の形の1つとして、
電話面談、もっと進めばWeb面談とかも
全然ありだな、と感じた。

余った時間で他の仕事もできたし。

普通って何だろう、
常識って本当に疑わないとだめだな、と感じた。


これからどんどんと、
支える若手に対してご高齢の方が増えていく。

対面でのコミュニケーションは大好きだし、
全部リモートにする必要はないけど、

現実的に、テクノロジーに頼っていくしか、
支え合う事は難しいんじゃないかな…と思う。




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