助けてる?いやいや、助けられてる。

僕は老人ホームで働いている。

高齢の方が住む場所なので
病院とまではもちろん行かないが、
まぁまぁ、死が身近にある。

急変して病院へ搬送になる方もいれば、
もう、寿命ということで
最後まで看取らせてもらう方もいる。

病院か施設か、はたまた最後だけ家でみるか。
これはほとんどご家族の意向による。

最近は看取らせてもらう方が多い印象。


先日看取らせてもらった方のご家族から
電話があった。

もともと、亡くなった後も連絡はしばらく続く。
荷物の処分とか、居室修繕費の処理とか、
通夜告別式の日程とか。

最初電話をとったのは管理者さんで、
お名前からその方だというのはわかったんだけど、
そういう事務的な話だと思っていた。

そしたら、僕に電話を代わって欲しいとのこと。
「僕に答えれることないんだけどな…」と思いながら電話に出ると、


最後会えなかったから。
コロナでお葬式もしなかったので。
助かりました、ちゃんと言いたかったので。

だと。


ほんとよく協力してくれた家族様で、
本人さんと仲が良かったのが
見て取れるご家族だった。

そんな方がわざわざ個人宛に
お礼の連絡をくださったのは、
偽りなく嬉しかった、


ただ、今では、寂しい…
ということは無くなってしまった。


もう、あっさり。冷たいぐらいになる。


でも、ずっと頭には残る。
もう会うことはないんだな…
本人にも、そのご家族にも。
と思うことはある。

連絡をくれたご家族へ。

思っておられたような反応が出来なくてすいません。
慣れてしまっているようで。

死が身近に来すぎて、忘れがちなんです。
他の方の普通と僕の普通は絶対違うという事を。

そのご家族からすれば、たった1人の身内。
僕からすれば、大勢の中の1人。

助けてもらった、とあなた方は言いますが、
助けてもらってるのはこちらのほうです。

あなた達は、
最後を看取らせていただくチームの、
要です。

ご縁ありましたら、
また何かお手伝いさせてください。

どうもありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?