見出し画像

こっちの勝手(対・職員さん)

僕は老人ホームで働いている。

今日は昨日の続き…みたいになるんだけども。


昨日は、
おむつを外してしまわれる方の思いは、
こんな感じではないか?

いわばこっちの勝手で
おむつを使って貰ってるんだし、
別に外されたっておかしな話ではないよね、
という内容の文章を書いた。



今日はその話の、
対職員さんに向けての思い。





僕らは介護の専門職なので
もちろん排泄の援助も行うけども、

いくらおむつはずしという行為の正当性、
【本人の立場になればおかしくはない】
ということが頭で理解できても、

毎回毎回、尿や便の処理をするのが
嬉しいわけではないし、
当たり前のことだとは思っていない。

むしろ、下の世話が介護の仕事、
みたいに思われているとしたら、

それは大事な仕事ですけど

ほんの一部です。

と、耳元で拡声器でお伝えしたい。



問題が起こったら、まずは対処。
すぐできる工夫で、取り急ぎの応急処置を行う。

パッドがゴワゴワするなら紙パンツは?
それが嫌なら布パンツは?

残尿量や排尿量を調べて、
おむつ交換の回数を再設定。

と、スピーディーに対処を行う。

何もしなかったらそのままだし、
そのままが正しいわけではないし。
そのままが続くとそれが普通になるし。




それでも問題が収まらない場合、
(根本解決をしていないので
ほぼ収まらないんだけど。)

泌尿器科にかかったり、
医療面から見ていったりする。

薬の影響で尿が出やすくなってないかとか、
膀胱炎にかかってないか、とか。


またそもそも、
おむつでの排尿なんていうのは
人間の自然な動作ではないので、

可能であればトイレやポータブルトイレの
使用を考える方が、
結局のところしっかり排泄ができて
洗濯物が出なくて、
時間短縮になったりする。

また施設あるあるだけども、
在宅の方と比べて極端に活動量が少ない。

食事のとき以外は
ベッドで横になっていることが多い。

なるべく起きておいていただき、
活動することで、昼疲れて夜眠る、
という昼夜のメリハリが維持できる。

シンプルに、人手の少ない夜間、
しっかり眠ってもらえてる方が、
おむつ外しも少ない。


根本的なところから、対応していく。

僕はこの、対処と対応を意識している。




で。
ここからがちょっと思うところなんだけど、

シンプルに、
お部屋で一人で寝てもらうんじゃなくて
起きておいてもらえれば
外そうとしてるときにすぐ声かけれる
とかもある。

それ自体は悪くない。
さっきも書いたけど、
昼夜のメリハリにもつながる。

ただし、
なんの活動もせず、
ただ起こしっぱなしはどうかと思う。

それこそ、プロのやることじゃない。

こっちの都合で
無理やりしんどいのに起こしておく。

表現は難しいけど、
介護の放棄(ネグレクト)という、
虐待に近いと、僕自身は思う。




専門職であるならば、

起きてもらうための話のネタ、
趣味はなんだったのか?
家ではどんな活動をしていたのか?

今できる活動にはどんなものがあるか、
本人はどう思っているのか。

などを、本人家族から聞き取りながら、
前述のアセスメントを続けていって、

負担なく起きていれる時間を探って
100%の解決を目指さず、
ちょっとでもマシになる様に
進めていくことが必要だと思う。







職員さんからすれば、
もしかしたら僕は
疎ましい存在なのかもしれないな、
と、ふと思うことがある。


こんなふうに目標を立てて、
こういう流れで対応していきたい、

と伝えると、
ちょっとめんどくさそうに
されちゃう時がある。






もしかしたら、
僕はみんなを攻撃してしまってるのかな?


介護という、
綺麗事や理想論が
まかり通るのは難しい世界で、
夢みたいなことを言ってるからか?

それが通っちゃったら、
毎回そんな面倒なことを
考えていくのが普通になる?









それでも、みんなで勝ちに行きたい。

勝つって、勝負じゃないけど

みんなで喜びたい。



懸命に考えて、ケアして、

入居者さんも汚れずに、
職員さんもその業務に誇りを持てて、
プランにもそれが書いてあって、

そういう介護がしたい。



何度も説明をしよう。
人一倍時間をかけよう。


笑われても、
笑われる勇気を持とう。


悔しくても、
人を傷つけない強さを持とう。




大丈夫、いける。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?