幸せかもしれない悲劇

ある日、道端にアイスが落ちているのを発見した。
僕は瞬間的に誰かの悲劇が落ちていると思った。
せっかく買ったアイスを何らかの理由で落としてしまい、食べれなかった人がいるのだと。

それからしばらくして、さっきのアイスは本当に誰かの悲劇だったのだろうかと疑問が湧き始めた。もしかしたらあれは悲劇でなく、幸せだった可能性もあるのではないだろうか。

例えばお金持ちにぶつかってアイスが落ちてしまった場合。
お詫びとして落としてしまった分よりも多くのアイスを買って貰えたかもしれない。

それ以外にも幸せなパターンはある。
気になる人とデートをしていて、その人がアイスを落としてしまった場合だ。
落としてない方のアイスを2人で一緒に食べることになり、自然と2人の距離は縮まったかもしれない。


アイスが落ちている光景は誰かの悲劇に見えるかもしれないが、誰かの幸せである可能性も存在する。
僕はそんな妄想をしながら、帰りにコンビニでアイスを買った。

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