【ざっくり分析】松竹株式会社の業績(2021年2月期 第一四半期)~コロナ及びロックダウンの影響~
今回は松竹株式会社の直近の業績(2020年3月1日~5月31日)について調べてみた。コロナの影響がどれくらい出ているのか気になるところである。
【業績推移サマリ】
①直近期(2020年第一四半期)は対前年比同期比で売上高が63.2%減少
売上高: 前年 234億円 ⇒ 今年 86億円 (対前年比63.2%減少)
営業利益:前年 8.6億円 ⇒ 今年 ▲14.7億円
②セグメント別では映像関連事業(映画)、演劇事業が大幅に赤字(合計:▲18億円)
③不動産事業は安定的に収益を確保し、14億円のセグメント利益である。
売上高については過去3年間は200~230億円で推移していたが、今年はコロナの影響で86億円と、半分以下になっているのがわかる。営業利益もその影響でマイナス14億円になっている。
次は、詳細を知るためにセグメント別に見てみようと思う。
総論としては、コロナの影響で、映像関連事業及び演劇事業が大幅に減少している。一方で不動産事業についてはテナントを確保しており、例年通り、安定的に利益が出ている。
映像関連事業(映画事業):
「Fukushima50」「一度死んでみた」が好評であったが、3月下旬から休館になり、公開予定を延期した作品があった。
3月以降に順次、営業時間短縮や休館の影響が大きく厳しい結果になった。一方で、CS放送事業については計画通りの利益を獲得した。
演劇事業:
政府の要請を受けて、3月以降も引き続き歌舞伎座などの公演を中止した。
不動産事業:
不動産賃貸は各テナントと賃料交渉、経費削減などにより計画通り、利益を確保した。
その他:
プログラム・キャラクター商品販売、イベント事業はコロナの影響で厳しい結果になった。
ちなみにBSについてはキャッシュが
2020年2月末時点:215億円から2020年5月31日時点で159億円なっており、四半期で約60億円も減少している。
そのため、6月30日付けで、日本政策投資銀行(DBJ)から100億円の借入を行う予定である。返済期限が2022年と短いので、念のため借りるようだ。
想像していた通り、コロナの影響で厳しい状況であることがわかった。
唯一、不動産事業が安定しているのが救いであるが、それが故に今後も不動産事業に依存する形が続くと思われる。
次回は、他の企業も見てみたいと思う。
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