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地域プレイヤーのコラボで広がるつながりーみんなでつながる謎解き体験 388 QUESTー

2022年11月12日(土)に開催した、玉川上水旧水路緑道の再整備に向けた先行企画「388 FARM β vol.3」(ササハタハツファームベータ)のテーマは「コラボとひろがり~388 FARM Friends拡大」。出店条件の1つを「他主体とのコラボ又はまちへのひろがり」とし、プレイヤー同士の連携をより重視するねらいを持って企画を行いました。

ササハタハツ周辺には、個人からNPO、企業・団体まで、地域を拠点に活動するプレイヤーが多く存在します。一見異なる活動でも同じ課題意識や目線を持っていたり、実は近いテーマの活動だったり、そんなチーム同士がコラボすることでさらに魅力的な地域コミュニティが生まれるのではないかという仮説がありました。

今回は、実際に生まれたコラボ企画「みんなでつながる謎解き体験 “388 QUEST」を例に、プレイヤー同士がコラボする価値を紐解きます!

みんなでつながるクエスト体験! 


「388 QUEST」とは?

388 QUESTとは、小学生から大人まで楽しめる体験型街あるきツアー。謎解きや街にまつわるクイズ、車椅子体験など、緑道全体をまるごとフィールドにした全20の「クエスト」をクリアするとお宝をゲットできます。クエストを企画したのは、主に以下4つのチーム。普段は別々の活動体ですが、コラボによってさらに多様な視点での遊びと学びのコンテンツが生まれました。

ワオ!クエスト渋谷本町ラボ
渋谷を中心に、地域を舞台にした小学生向け探究学習を提供。チームのアイデアをとりまとめ、クエストの枠組みを設計。

ササハタハツまち遺産探検隊
街歩き等を通して見つけた未来に残したい街の歴史・魅力・思い出を「まち遺産」として発信。クエストでは、街に関するクイズを企画。

イーデザイン損保
「事故のない世界を創る」をミッションに掲げた自動車保険会社。クエストでは、交通安全教材「もしかもマップ」の体験コーナーを企画。

インクルーシブ運動場
年齢や性別、身体機能などに関係なく、誰もが遊びや運動を楽しめる環境づくりを推進。クエストでは「車椅子体験」を企画。

コラボのきっかけは、謎解き体験コンテンツ

「388 QUEST」のもとになったのはワオ!クエスト渋谷本町ラボ(以下、ワオ!クエスト)」の矢澤修さんが第2回目の388 FARM β で出店した、緑道の花壇や樹木のサイン、公園に設置された看板などを活用した謎解き体験コンテンツ「まちクエスト」。

第3回目ではさらに企画をバージョンアップするべく、まちラボも交えた意見交換を行いながら結成されたのが今回のチームだったと言います。

矢澤さん「地域の魅力や資源をこどもの”遊びと学び”に変えることが僕の活動のテーマなので、そもそも自分たちだけで完結することがほとんどない。5月の388 FARM βで謎解きコンテンツを企画したことで、これはすべての出店者をつなげられるものになるのではという予感がありました。今回は主に4団体とのコラボでしたが、さらに輪を広げ、つながりを増やしていきたい」

ジャンルも立場も世代もごちゃまぜに!みんなで取り組むことで広がる活動

これまでも「まち遺産」のクイズラリー等を開催してきたまち遺産探検隊の古川はる香さんは、特に「アイデアを考える視点が増えることでアプローチの幅が広がること」にコラボの楽しさを感じたと振り返ります。

古川さん「自分たちだけではできないアイデアをたくさん実現できました。街にはいろいろな見方や視点があることを企画を通して伝えられたのではないかと感じています。今回は参加者それぞれでクエストを体験する形でしたが、次回は、参加者同士での交流も楽しんでほしい。多世代の複数人チームでコミュニケーションしながらクエストを体験できる仕掛けを考えてみたいですね」

同じくまち遺産探検隊の若松保治さんは、コラボという手段が地域に与える価値についても言及します。

若松さん「新しいメンバーとの出会いは、新しい世界やテーマとの出会いでもある。インクルーシブ運動場の持つ福祉や障害というテーマ、イーデザイン損保の持つ交通安全というテーマ。お互いに普段と違う視点で考えたことで新しい面が生まれたと思います。コラボという手段は、地域活動をただ点在させるのではなく、”線”としてつながり、より大きな”面”として発展させるきっかけにもなることを感じました」

企業として参加することの意味とは?
地域とつながる企業活動を目指して

道路の危険箇所を見える化できる「もしかもマップ」は、親子で一緒に通学路を歩いて危ないポイントをスマートフォンで簡単に登録できるウェブサービス。イーデザイン損保として初台で地域活動を行うのは388 FARM βが初めてだったと茂谷逸平さんは言います。

茂谷さん「“事故のない世界”を目指す企業として、本社を構える初台エリアで何かしたい気持ちはずっとありました。弊社の交通安全教材”もしかもマップは、どうしても真面目な”お勉強”の要素が強く、こどもの好奇心や興味関心を引き出す上での課題を感じていました。しかし、スタンプラリー感覚で楽しみながら学べる今回のスタイルはいい意味で参加の敷居を下げ、遊びながら道路の安全について考える機会を提供できました。」

企業単体で出店するのではなく、クエストという企画フォーマットに「相乗り」できたことで、企画や準備面でのハードルが低かったとも言います。

イベント後、実際に参加したこどもたちの様子やエピソードを社内で報告すると、同僚のみなさんからもたくさんの嬉しい反応がたくさん返ってきたそう。「すぐに定量的な効果がでるものではないですが、地域活動ならではの手触り感や、地に足をつけて取り組めることに大きな価値を感じました。これからも積み重ねていきたい」と茂谷さんは話します。

インクルーシブな地域文化を育むために

インクルーシブ運動場の積田綾子さんは、「ササハタハツに集まるみなさんは、コラボしたくなる魅力的なアイデンティティを持っている」と語ります。

普段から教育・医療・福祉・民間企業などの多様な分野のプレイヤーの活動共同体でもあるインクルーシブ運動場ですが、もっと他のテーマのプレイヤーともコラボしたい気持ちを兼ねてから持っていたのだそう。

積田さん「インクルーシブな活動は、福祉や医療の世界だけで進めても意味がない。障害がある人もない人も、安心してそれぞれの日常を過ごせることが当たり前の地域をつくる必要があると考えています。今回クエストに参加したこどもたちは、車椅子ユーザーの方とも自然に交流し、先入観なく一緒に遊んでいました。その風景が常日頃から”ふつう”になることで、地域ならではのインクルーシブな文化がつくられていくのだと思います。」

今回388 FARM βとしても初の取り組みとなったコラボ企画でしたが、388 QUESTはじめ、コラボだからこそ生まれた価値や可能性が数多く生まれたのではないかと感じています。

より多くのプレイヤーを巻き込む方法などに課題もありますが、今後も、地域をより良くしたいと考えるコミュニティ同士が連携し、面としての活動が広がっていくよう、つながりづくりや場づくりの支援を続けていきたいと思います。

第4回目の開催も決定!
顔と顔の見える関係を土台につくる「まちの表情」

第4回目の388 FARM βの開催も決定!次回は2023年5月14日(日)に開催します。今回のテーマは「FACE」。顔と顔の見える関係でつながり合い、時間と空間を共有しながら、意見を重ね、共に汗をかき、それぞれの個性を表現すること。その結果、多様な魅力が混ざり合い、誰もが楽しめる「居場所」が生まれること。そんな願いをこめたテーマ設定となりました。

第3回目のコラボレーションのテーマを活かし、今後はみんなでまちの「表情」をつくり出すことを目指します。詳細はこちらのページをご覧ください!


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