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初めてのものづくり

新しいことを始めると新しい人たち出会うことが増える。その度に「何をやってる方なんですか?」との問いに「世界一美しい猫のトイレを作っています」と答えているのだが自分でも不思議な感覚になる。

なぜ猫のトイレなのか。
そもそも、なぜ「ものづくり」をしようと思ったのか。

インテリアが好きな母親に育てられ家具の美しさやプロダクトの素晴らしさには幼い頃から自然と触れていたことが起因しているとは思う。
だけど、ものづくりなんてしたことがない。触れたこともない。せいぜい小学校の図工の時間くらいだ。

ただ、そんなことはすっ飛ばして「つくりたい」と思ってしまった。それに尽きる。

ノウハウも知らない。どうやって物理的なプロダクトが現実の世界に出現するかなんて想像もできなかった。
それでも僕は「世界一の猫のトイレをつくるんだ」と意気込んで自信満々に周りに話していた。

すると、ある友人のひとりが「デザインやってる友達がいるよ」と紹介してくれた。
その人物こそが現在のKatteのデザイナーであり、二人三脚でアイデアや事業を推し進めてくれる心強い仲間だ。
その彼のおかげで発起して3ヶ月足らずで試作第一号が完成した。

彼がいなかったらと思うとゾッとする。
僕は「図面」の存在も知らなかったし、製造メーカーへの「見積もりをとる」なんて頭にも浮かんでいなかった。
彼がいつの間にかこなしてくれていた。
何十社も試作の製造を断られたらしい。それでも諦めずに連絡し続けてくれたことには本当に感謝だ。

ダンボールで作ったモック

サイズを決めるのも決断だった。
440ミリ、460ミリ、480ミリ、500ミリ。
僅かな違いがどう影響するのか見当もつかず、本当に悩んだ。
結果的に480ミリにしたのだけど、これは上の写真のダンボール製試作零号機を作って実際に家に置いて、目で見て決めた。しかも金型を発注する前日だった。

こんなダンボール製のだらしない見た目の試作でも現実の世界に現れると感動するのだ。こればかりはやってみないと絶対にわからなかった。

僕らのプロダクトはボディ製造、塗装、脚部製造だけですでに少なくとも3〜4社が関わってくれている。そして会社には働く人がいる。いったい何人の人たちのおかげで製品は生まれてくるのだろう。

試作ひとつ完成するだけでも感動はひとしおだ。
これからのワクワクを、そして製品完成への道のりを少しずつ言葉にしていけたらと思う。

Katte代表 柴田達也

つづく。

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