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目線の高さ。

「ちょうど目線の高さで、カメラがよく見えるんです。」

新宿の某所で一服していると、目があって話しかけてくれたその方は電動の車椅子に乗っていた。

「ライカですか?」
首から下げるカメラに興味をもってれたことにとても嬉しくなった。話を聞くと、過去に写真をやっていたときがあったようでその時の憧れがライカだったようだ。

カタチを変えずに残っていくものは、時代を繋ぐアイテムだということを知った瞬間だった。

短い時間ながらも、事故で失ったという左脚のこと、障害をもったことによる心の変化、また旅行もしてみたいという夢についても語ってくれた。

バイアフリーという自分とは少し離れたところにある言葉がぐっと近づいた貴重な時間。僕はそっと一枚シャッターを切らせていただいた。

義足について聞いてみると装着するのに時間がかかることを初めて知った。短い時間しかまだ歩けないということもあり、次の機会には義足をつけて立った姿を撮ることを約束した。

「人ってとっても温かいんですよ。事故で脚を失って初めて分かりました。」 


そんな言葉を聞いて、京都で写した物語の続きをこの地でも撮り続けようと心に誓った。

シバタタツヤ

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