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マグロは寝ながら泳ぐ 水泳考 浮くとは?

水泳を教えていると忘れてしまうことがある。水の上に浮いているということだ。

そんなことわかっていると思われるが、推進力を追い求めるあまり水の上に浮いているという基本的なことを忘れてしうまう。特に他のスポーツから引用して動作などを説明する場合。例えば「もっと大きく」「もっと強く」などのストロングワードを使うときに、体がどこかに設置して固定されていると思い込んでいる。

水泳は水の上という液体の上で非常に不安定でバランスのとりにくい出発点から始まるということを忘れてはならない。地面という固体に設置し身体が支えられている陸上競技とは根本が違うということを指導する立場の人間は常に前提に置いていなければならないという事。

浮くためには、重心を取らないといけない。これは教えても理解できない。水の場で色々と体を動かし、水の3原則「水圧」「浮力」「水温」を体感するべきだろう。

初心者の場合、顔をつけたりがまず難しい。「水の怖さ」に関してはまたいずれ書きたいと思うが、まず歩いたりして水の3原則に慣れることだ。一見、水温は関係ないように思えるが水の冷たさで血管が収縮し生命維持装置が入り身体に力が入る。水温に慣れることで身体がリラックスしてくる。

顔をつけられるようになったら、だるま浮きやくらげ浮きなどで背中をうかせるようにする。自然にお腹に力が入り、腹圧ができ鳩尾のあたりに重心ができるようになる。

そうしたら軽く手足を伸ばす。間違ってもストリームラインなどは取らせない。手足に力が入ると重心が変わってしまう。手を組ませたりもしない。軽く曲がっていてもOK。手が広がってしまうのは重心がとれ地ない証拠。もう一度、だるま浮きなどでバランスが取れているか確認する。

選手などでも伏し浮きをさせてみると面白い。全中優勝した選手が伏し浮きができないことがあった。スプリンターの場合、推進力があれば浮くことなどあまり必要ないかもあいれない。しかし成長とともに重心が変わる。足がすぐ沈んでしまうなどがあると上げるために体力を使ってしまう。重心を再設定してあげることでバランスが整う。

私もそうだが、指導者は浮くことからもう一度、見直すことをお勧めする。


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