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ラテン語の格言 (11) 「星は嘘をつかない。でも、占星術は嘘をつく」

 ここで紹介するのは、ラテン語の格言を集めたものです。mixiにかつて存在した「セルフィちゃんねる」というSNSで紹介を続けていた内容を、整理したものです。ほとんどは古典的なものですが、現代の状況に合わせて意訳や調整を加えています。

Astra non mentiuntur, sed astrologi bene mentiuntur.
 (星は嘘をつかない。でも、占星術は嘘をつく)

 この格言は、宇宙の真実と人間の解釈の違いを示しているとも言えます。星々は物理法則に従い、変わらず一貫しており、その動きや存在は宇宙の真理を表しています。一方で、占星術は、これらの天体の位置や動きを基にしていますが、その理解や解釈は、文化や時代、個人の視点に依存し、客観的な真実からは、かけ離れることがあります。
 これは、観測可能な自然現象と人間の主観性の間の齟齬を表現したもので、宇宙の不変の法則と、私たちのそれに対する変わりゆく解釈の違いを物語っています。客観的現実と主観的解釈の間のバランスを考える上で、この格言は深い思索を促します。

Melius frangi quam flecti.
 (曲がるよりは壊れるほうがいい)

Quandoque bonus dormitat Homerus.
 (立派なホメロスだって 時々居眠りをする)

Si ars latet, prodest.
 (技は隠されているときに役立つ)

Si vis amari, ama.
 (愛されるには、愛しなさい)

Gladiator in arena consilium capit.
 (剣闘士は競技場で作戦を考えるのでは遅い)

Beatius est magis dare quam accipere.
 (受取るよりも多く与えることで幸せになれる)

Aurora Musis amica.
 (夜明けは音楽の友達)
 ※アウロラは曙の女神、ミューズは音楽と詩の女神

Licet ipsa vitium sit ambitio, tamen causa virtutum est.
 (野心は悪徳に近いのに、そこからは様々な美徳が生まれる)

Veritas numquam perit.
 (真実は滅びない)

(2010年4月12日から4月25日)


星は嘘をつかない。でも、占星術は嘘をつく


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