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ラテン語の格言 (21) 「思慮に愚を混ぜてみよう」

 ここで紹介するのは、ラテン語の格言を集めたものです。mixiにかつて存在した「セルフィちゃんねる」というSNSで紹介を続けていた内容を、整理したものです。ほとんどは古典的なものですが、現代の状況に合わせて意訳や調整を加えています。

・Misce stultitiam consiliis brevem.
 (思慮に愚を混ぜてみよう)
 ※混ぜ御飯だよ

 この格言は、一見すると矛盾に感じられるかもしれません。しかし、これには深い意味が込められています。ルーティンワークの麻痺を避け、柔軟性と創造性を取り入れるのが重要なことを示しています。
 人はしばしば、完璧を目指して過剰に考えたり綿密に計画することがありますが、それが行動を妨げ、チャンスを逃す原因になります。計画や分析だけに頼るのではなく、直感やゆらぎの価値を教えてくれます。これは、ある程度の「愚」つまり予測不能要素や偶発的な機会を受け入れることで、新たな可能性が開かれることを意味しています。
 このアプローチは、創造的なプロセスや問題解決の方法論において特に有効です。凝り固まった計画によって斬新なアイデアが阻害されがちなのに対し、少しの柔軟性を取り入れることで、新しい価値観や解決策が生まれやすくなるからです。また、人間関係においても、常に論理的であることが最善とは限らず、時には直感や心からの行動が、より深いつながりを生みます。

・Nullus sibi aliquid operetur.
 (どんな仕事も自分のためだけではなく)

・Res severa est verum gaudium.
 (本気で取り組むことが真の歓び)

・Suggestio veri.
 (真実は さり気なく示される)

・Concordia res parvae crescunt, Discordia maximae dilabuntur.
 (小さな物は集まって調和するが、集まり過ぎると不調和で壊れる)

・Cui placet obliviscitur, cui dolet meminit.
 (人は喜びを忘れても悲しみは覚えている)

・Draco Sit Mihi Dux.
 (ドラゴンが私を導きますように)
 ※碑文に書かれた言葉より

・A cornibus unicornium humilitatem meam.
 (私の卑しさを一角獣の角からお救いください)

・Varietas delectat.
 (多様性が人を喜ばせる)

・Longum est iter per praecepta, breve per exempla.
 (言葉による教えの道は長いが、実践ならば短い)

(2010年8月30日から9月12日)


思慮に愚を混ぜてみよう

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