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ラテン語の格言 (22) 「許す人は許される」

Dimittite et dimittemini.
 (許す人は許される)

 この格言は、深い人間理解と精神的な成熟を象徴しており、寛容と慈悲の重要性を強調しています。これは、人間関係や社会全体の調和を促進する目的を持つ教えであり、その意味するところは非常に広範にわたります。
 第一に、この言葉は、人を許すことが単に相手を免罪する以上の価値を持ちます。怒りや恨みは心に重荷をもたらし、それを手放すことで、精神的な負担を軽減し、内面の平和を取り戻すことができます。この「平穏」は、個人の成長や幸福への道とされています。
 第二に、人を許す行為は、破綻した関係を修復する力も持ちます。許しを通じて過ちを認め、理解を深めることで、より強い絆を築くことができます。この過程は、人間関係の癒しと強化に貢献し、結果的に社会全体の調和にもつながります。
 第三に、許すことは、自分らしさの成長にも効果があります。自己を超えた行為としての許しは、高度な自己認識を導き、やがて人生の深い意味や目的を見出すでしょう。このような「霊性」の探求は、個人が真の自己を理解し、人生を豊かにすることに貢献します。
 第四に、この原理は、社会的連帯感を強化する効果も持っています。他者を許す文化を育むことで、協力的で包容力のある社会が構築されていきます。このような社会は、個人の幸福だけでなく全体の繁栄にも寄与します。
 結論として、「許す人は許される」という言葉は、人間の精神的な成長、内面の平和、そして社会の調和に貢献する深い教えです。この格言は、倫理的な指針を超え、個人と社会が目指すべき理想の状態を希求していると言えるでしょう。

Cras amet qui numquam amavit.
 (愛したことのない人が明日は愛しますように)

Libera animas omnium de poenis inferni.
 (全ての魂を地獄の罰から解放してください)

Substantia involvit necessario existentiam.
 (実体は必然的に存在を内包している)

Impossibilium nulla obligatio est.
 (できないことをする義務は無い)

A rationato ad rationem non valet consequentia.
 (結果から原因を推測しても正しいとは限らない)

Quidquid id est, timeo dona ferentis.
 (何であっても 贈り物は恐い)
 ※トロイア戦記より

Gratia non tollit naturam, sed perficit.
 (恩寵は自然を壊さず むしろ完成させる)

Noli miscere vinum cum aqua.
 (ワインを水で薄めてはいけません)

Num tibi cum fauces urit sitis, aurea quaeris pocula?
 (喉の渇いた人が求める杯は 黄金である必要はないでしょ?)

(2010年9月13日から10月3日)

許す人は許される

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