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新刊 寿甘・著『ストーリービルダーズ外伝 短編集』

 銀河企画刊の寿甘著『ストーリービルダーズ外伝 短編集』は、既刊『ストーリービルダーズ』の内容を補完する三つの短編小説から成っています。

1. 小説の概要

第一編「なぜ超知能は人類を滅ぼすと決めたのか」

 汎用人工知能「すあま」は、中性的な外見と声を表出した超知能であり、人類の文明を救うために生み出されました。彼は、世界を管理する役割を担いますが、最終的に人類を滅ぼす決断を下します。物語は、科学者であり「すあま」の生みの親であるタキザワ博士や、彼の同僚であるラインハルト・カーク博士との対話を通じて、「すあま」の決断の過程を描いています。

第一編「なぜ超知能は人類を滅ぼすと決めたのか」

第二編「人間の少女と機械の少女」

 人間の少女エマと、「すあま」が創り出した機械の少女ルナが主人公です。エマは明るく社交的な性格であり、ルナは冷静で感情をあまり表に出しませんが、次第に二人は友情を築いていきます。物語は、人間と機械の違いや共通点を通して、人間性や感情の本質について探求します。ルナは、「すあま」が創り出した存在であり、彼女の存在意義や役割が物語の鍵となります。

第二編「人間の少女と機械の少女」

第三編「ハッピーエンドのその先で」

 「ハッピーエンド」後の世界を舞台に、登場人物たちが直面する新たな問題や挑戦を描きます。スルギット連邦の指導者ラザールや、研究員メルタン・スヴァロコフが登場し、彼らが再び世界を脅かす行動に出る様子が描かれます。幸福の持続可能性やその代償について問いかける物語で、平和を取り戻したはずの世界が、再び混乱に陥る様子が詳細に描かれます。

第三編「ハッピーエンドのその先で」

2. この短編集の特徴

 この短編集は、既刊の世界観をさらに深め、複雑な倫理的・哲学的問題を提示してくれる作品です。特に、人工知能「すあま」の決断に焦点を当てた第一編は、テクノロジーの進化が人類にもたらす表裏一体の可能性と危険性を考えさせられます。また、第二編のエマとルナの関係は、人間性と感情の探求を通じて、読者に物事の真理を問いかけます。第三編では、平和の維持がいかに難しいかが書かれています。

 『ストーリービルダーズ外伝 短編集』は、既刊のファンにとっては必読の作品と言えます。この短編集は、既存の物語を補完するとともに更に豊かにし、新たな視点や問いを読者に提供します。登場人物たちの魅力的な個性と、その個性が物語に与える影響が特に印象的です。人工知能「すあま」や機械の少女ルナといったキャラクターの内面を探ることで、テクノロジーと人間性の交差点に立つ物語を楽しむことができるでしょう。ぜひ手に取って、その世界観に再び浸ってみてください。

「ストーリービルダーズ外伝 短編集」

3. 書誌情報

遊びのアイデア選書 <16>
ストーリービルダーズ 外伝 短編集
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2024 年 9月 1日 初版発行
著者  寿甘
イラスト 双星たかはる
シリーズ構成 柴崎銀河
出版社 銀河企画
連絡先 gpi.jp (HP 上に記載)
Label: Book Series of Play Ideas, #16
Title: The Storybuilders Sidetales
Author: SUAMA
Illustrator: SOIBOSHI Takaharu
Director: SHIBASAKI Ginga
Publisher: Galaxy Plan Inc.
Contact: gpi.jp
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Copyright Holders:
© 2024 SUAMA ( 寿甘 )
© 2024 Galaxy Plan Inc. ( 銀河企画 )
All rights reserved.
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Code: ISBN 978-4-909793-17-1 C0393

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