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お産と自閉症 自閉症の予防③

SBSK自然分娩推進協会では、代表の荒堀憲二(産婦人科医師)よりメルマガを配信しています。
今回は、2024.05.21配信のメルマガ内容(後半)です。

前回に引き続き、「自閉症の子どもたちと”恐怖の世界”」(白石勧著 花伝社)より。
※白石さんの書籍を割愛し結論を中心にお伝えしています。詳しく知りたい人、文献も見たい人は原著書をご覧ください。Amazonでも購入できます。


4-4. 自閉症予防の5カ条

自然出産をおこなっていた吉村正(2010)から、吉村医院での出産の様子を紹介する。

ある人は家族に囲まれて、ある人は旦那さんと二人だけで、リラックスする音楽をかけたり、好きな香りを炊いたり、みなさん思い思いの環境を整えます。本格的な陣痛が始まると部屋は暗めにします。そのほうがお産に集中できるだもんで。

産婦さんは好きな姿勢で立ったり坐ったり、歩き回ったり、横向きになったり、中にはお風呂に入る人もいます。助産婦は産婦に寄り添って、じっとすべてを受け止めてサポートしております。

わしはといえば、部屋の隅の方でちょこんと座っとるだけ。-(略)-

生まれた赤ちゃんは、すぐにお母さんの胸に抱かれます。近頃ではカンガルーケアなんて言われておるようですが、そういう言葉が出てくる前から、うちでは赤ちゃんは生まれてすぐにお母さんの胸に抱かれておりました。

病院みたいに、生まれてすぐに体重や身長を測ったり、鼻やのどの洗浄をするなんていう野暮なことはいたしません。

お母さんと赤ちゃんが初めて会えたことを喜び合う時間以上に大事なものなんてありますか。-(略)-

みなさんは、赤ちゃんはぎゃーぎゃー泣くものだと思っておる人が多いでしょう。うちでは最近ほとんど泣かなくなりました。泣いてもすぐに泣きやんじゃう。
お母さんに抱かれて、のんびりした顔をしておりますわ。(pp.12-14)

吉村正(2010)

現在の病院出産は、母親は分娩台の上で仰向けになって赤ちゃんを産む。そして、母親は疲れているということで、一人で寝かされる。
赤ちゃんは生まれるとすぐに体重や身長が測られる。そして、新生児室に入れられる。
出産をする母親の本能も主体性も無視されている。

出産をする母親の本能と主体性が尊重されていれば、赤ちゃんに刷り込みの障害が生まれる余地はない。
そして、自閉症になる赤ちゃんはいない。

以上、第3章と第4章の考察から、自閉症の予防に必要なことを「自閉症予防の5カ条」としてまとめた。

  • 分娩台を廃止してフリースタイルのお産にする

  • 分娩室の照明を暗めにする

  • 出産後すみやかに母子同床にする

  • 出産にかかわる人やNICUの看護師はマスクをつけない

  • 出産後24時間は目薬と写真のフラッシュは使用しない

自閉症は赤ちゃんへの無知がまねいた医療事故である。
出産にかかわっている医師や助産師の方は早急に出産環境を改善する必要がある。

自閉症の発症率が限りなくゼロになる日が1日も早く来ることを祈っている。

次回は自閉症の正しい理解に入ります。


白石氏の電子書籍の目次は以下のとおりです。
※なお、本記事は白石氏の了承のもと公開しております。

第一部 自閉症の原因と予防
  第1章 自閉症の原因
  第2章 刷り込み
  第3章 新生児室
  第4章 自閉症予防の5カ条
第二部 自閉症の正しい理解と支援
  第5章 自閉症の正しい理解
  第6章 後期発症型の自閉症
  第7章 恐怖症の治療
  第8章 恐怖症の治療と教育


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