企業が学校教育にリアルをもたらす

※ 本記事は、学事出版の「月刊 高校教育」10月号に掲載された「教育ICTのキソキホン」を元に再編集したものです。


ICT CONNECT21監修のもと、高校教育、日本の教育課題をテーマに「企業が学校教育にリアルをもたらす」ことについて執筆いたしました。
その中でPepperを活用したプログラミング教育「Pepper 社会貢献プログラム2」について、ご紹介しております。
掲載記事「企業が学校教育にリアルをもたらす」

※ 月刊『高校教育』は、学事出版が発行する全国高等学校校長協会と高校教育研究会共編の総合誌です。
月刊『高校教育』2020年10月号

※ ICT CONNECT21は、「教育の情報化」に関係する皆さまにオープンな場を提供し、コネクトすることで教育を良くしていく団体です。
ICT CONNECT21 HP

高校普通科の再編

2020年7月、文部科学省は中央教育審議会の「新しい時代の初等中等教育の在り方特別部会」を開き、2022年度に高校普通科を再編する方向性を示した。

その内容は、SDGsやSociety5.0等の現代的な課題への対応を教科横断的に図る学科と、地域社会の課題をテーマに探究的な学びで課題解決に取り組む学科の設置案になる。

学際的な学びに重点的に取り組む学科
地域社会に関する学びに重点的に取り組む学科

<普通科改革>
各設置者の判断により、「普通教育を主とする学科」として、特色・魅力ある学科の設置を可能化

引用元:新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ審議まとめ(概要) 文部科学省 2020.11.13

改革が迫られる学校教育の現場

そもそもなぜこのような再編が検討されているのだろうか。

本来、学校は社会に出るための練習の場であるが、テストの得点が高い優等生ほど社会に出たときのギャップに躓くことになる。

画像6

それは、教科という決められた範囲のものを覚え、再現するということに時間と労力を費やしてきたが、そのような知識・技能はICTを活用すると簡単に求めることができてしまう。

実社会で求められるのは「ICTの応用力」であり、一般的な企業活動である「答えのない課題に対し、最小のコストで最大の効果と価値を組織全体で生み出す」という体験を行うことが、学校教育と社会とのギャップを埋めることになるからだ。

学校教育に必要なものはリアル

一方で学校外に目を向けると、現代では小学生でも大人と同じタブレット端末等を自ら操作して動画配信サイトを視聴している。その内容も決して子ども向けにデフォルメされているものではなく、大人向けと同じ情報をたくさん見聞きしている。
中高生にもなると、音声アシスタントに声を掛け、音楽や書籍はインターネット配信されるものを楽しみ、コミュニケーションはSNSを介した非同期型に慣れている。

日本の子どもたちのデジタル機器の利用状況に関しては、学校内では利用が進まない一方で、学校外で主にチャットやゲーム等で利用する割合が高く、日常生活の中では大人よりずっとICTを使いこなし、欠かせない存在となっている。

デジタル機器利用状況

引用元:OECD 生徒の学習到達度調査2018年調査 文部科学省 2019.12.9

ICT活用調査

引用元:令和2年度補正予算概要説明 〜GIGAスクール構想の実現〜 文部科学省 2020.5.11

このようにデジタルネイティブなZ世代の子どもたちは、小さなときから大人と同じリアルな世界とICTの利便性を知っている。

従って学校教育の中で扱う題材や使用する教具も、本物を模したプロトタイプやミニチュアでは満足しない。なぜならそれがニセモノだと知ってしまっているので本気にならないからだ。

学校で取り組む課題や解決方法はリアルでなければいけない。

そのために今の実社会で起きているSDGsやSociety5.0を題材とするのだが、企業活動経験がほぼ無い学校の教師だけで、リアルな社会課題と解決方法を子供たちに教育することができるのだろうか。

企業が学校教育に貢献できること

このような学校の教師ではカバーしきれない領域を支援するのが企業の役割であり、新学科設置義務にある「学外組織との連携」に繋がってくる。

・地域社会や高等教育機関等の関係機関と連携・協働した学びの実現
各高等学校においては、各高等学校が掲げるスクール・ミッションや各高等学校の実情等に基づき、教育活動を展開するための方策として、地域社会や高等教育機関、 企業等の関係機関と連携・協働することが求められる。もとより、子供たちの資質・ 能力は学校だけで育まれるものではないことから、一つの学校で全てを完結させると いう「自前主義」から脱却し、関係機関にも開かれた教育活動を行い、社会とつなが る多様な学びを実現する必要がある。

引用元:新しい時代の高等学校教育の在り方ワーキンググループ(審議まとめ) 文部科学省 2020.11.13

ソフトバンクではグループ全体でリアルな社会課題に対応するため、5G等の通信インフラ、 ロボット、AI・IoT・DX(デジタルトランスフォーメーション)等のプラットフォームを構築し、これらを活用したICTソリューションを提供している。

中でもソフトバンクロボティクスは、2017年度から人型ロボット「Pepper」を活用したプログラミング教育「Pepper 社会貢献プログラム(現在は、Pepper 社会貢献プログラム2)」を提供している。

Pepper社会貢献プログラム

Pepperの特長は課題解決のために実際に設置し、その効果を測定することが可能な、ニセモノではない「リアル」なロボットである点だ。

既に全国約1,000校で4万回の授業が実践されており、子どもたちはPepperを活用して地域振興、環境問題、福祉課題等、様々な実社会の課題解決に取り組んでいる。

プログラミング成果発表会 受賞チームの取り組み紹介

また、Pepperを通してプログラミング教育を学んだ子どもたちは批判的思考態度を育むという効果も得られた。

「Pepper」を使ったプログラミング教育の効果測定でクリティカル・シンキングが高い結果に
- ソフトバンクグループ株式会社・ソフトバンクロボティクス株式会社 プレスリリース 2019.8.8

Pepperを用いた教育実践事例からも分かるように、文部科学省が掲げるプログラミング教育のねらいといった範囲だけでなく、PBLやアクティブ・ラーニングによる探究的な学びが実践でき、また教科横断的に考え、地域社会と連携するカリキュラム・マネジメントの実現が可能である。
結果的に目指す子どもたちの姿は、SDGsを推進しSociety5.0の課題解決と価値創造ができるコンピテンシーの育成であり、まさに高校普通科再編の要素が含まれているものになる。

目指す姿

改革が求められる学校教育に対して企業が貢献できることは、最先端の社会での活動経験と事例を教育現場にフィードバックすると共に、プロトタイプやミニチュアではない、社会課題解決(社会実装)ができる本物のツールを提供することと考えている。

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