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仕事が途切れない理由

この前、同業の方々(というと広いな…)とメッセンジャーでやりとりしていたとき。ちゃんと休んでます??みたいな会話をした。ちょっと先週バタバタだったくらいで無問題っす!みたいな感じ。ありがたいことに思い返せば、あれ来週何しようみたいなことはなく、あの準備しなきゃとか巻きで作業進めておこうなんて感じでありがたいことに10年を超えて仕事が続いている。

あっちかな、こっちかな、と森で迷子になるがごとく、その日、気のまま本能的に歩いてきたので今自分が何屋か説明が難しい。簡単にいうと調査して、流れを見て、これやろうよ、と提案する人である。そんな説明が難しい謎の仕事がどうして絶えず仕事が来るの?とめちゃくちゃピュアな質問をされた。

その時、なんでだろう…とわからなかったのだけど、話しているうちに「仕事を取りに行くとか考えてないからかー」と相手の方が勝手に納得してくれた。言われてみれば、そうなのである。営業というものを新人研修以外でしたことがないのにお仕事がある。ありがたい。自分をよくいうの凄い苦手だから本当にありがたい。

誰にでも当てはまることではないかもしれないが、僕が当たり前にやってること(これが仕事に繋がってるかは謎)を列挙する。誰かの参考になれば。

欲しがらない

ノルマとか、なんか色々あるのかもしれない。あいにく僕には食えてけばいいというラインだけがあり、家族一人くらいを平穏無事に守れば良い。
なので仕事やお金にがっつくことがない。

欲しがる空気ってのが苦手で営業さん来られる時も、なんかそれを感じて早くタバコ吸いたいなぁとか思ってしまう。野生的というか、ハンティングに近いのかもしれない。狩りの対象にされてんなぁとか思って冷める時ない?フリーダイヤルでおすすめのなんたらプッシュして来る人とかさ、凄い苦手なんす。

なので自分から欲しがらないことにしてる。絶対相手に伝わるから。
あぁ、いいなぁそれやりたいなぁって時も自分から言わない。やってみる?って言われて初めてやるやる!と小学生みたいに盛り上がる。

遊びに行く

これが一番営業っぽいかもしれない。最近あってないなぁって人とかに「来週遊びに行ってもいいですか?」と連絡しちゃう。暇なんで飲み行きましょうよとか。ほんと世の中にはいろんな仕事があって、気になることが多すぎて、色々僕からの質問攻めにあうのでごめんなさいなんですが、遊びに行って色々情報交換する。僕らの界隈では今こんな感じとか。お互い情報共有して、お邪魔しましたーって帰ってくる。だいたい、最近何してるんですか?とか仕事が変なので聞いてくれる。最近こんなんやって超大変でした。みたいな感想と、そういえばこれ知ってます?みたいな相手のためになりそうな情報を教えたり。喫茶店で久々にあった友人と会話するのに近い。結構な寂しがり屋なのでよく遊びに行く。

悩みのヒントを提供する

これまで一緒に仕事をしたパートナーとか、制作パートナーの悩んでることを仕事柄必然的に聞く。なんかいい情報あったら共有するね、といって別れる。
ん、これってもしかしてあそこの課題に対して良いヒントになるやつじゃない?とおもうとサクッと連絡いれる。これ参考なりません?とか。
たぶんやけど、ここがうまく行ってなくて、ここで問題が起きてる、みたいな筋道見えるからそれも教える。そしたら、ちょっときて!となる。

ビールおごってくれたらOKが多い

なんか話してると、あのチームに相談したらいいんじゃないか?みたいなセッティングができる。良いチームいるから相談するよって繋いで、ほな!って帰ろうとすると、それって松倉さん儲からなくないっすか?って気を使ってくれる。だいたい一度仕事したことある人たちなのと、大企業でもないしノルマもないので別にいいっすよ。今度ビールおごってくださいで済ます。

がめついと間に入ろうとする。間に入られたケースも過去にあったけど、本当意思疎通の邪魔でしかない。課題を抱えてる人と課題を解決する人のダイレクトなやり取りが最速なのでこういうことはダメだなと経験上思っていて、自分では絶対しないようにしている。

この手の流れは結局プロセス中に、(こいついらなくね?)って思われがちなのでトータルで見ると幾ばくかはお金になっても信頼という意味で大損してる。プロジェクト道中でも、うちがいることでプラスにならないなら理由を説明して離脱する。これ以上僕をやとっていてもお金以上の価値が出ないので別に回した方がうまくいくって。

プライオリティが会社規模で難しいが、目先の金より、相談者の成功の方が目指すべきゴールである。そこが成功して前進すればプロジェクトの規模も広がる。無理にねじ込むより、酒おごってもらって夢語る方がずっと良い。

当たり前だけど意外とできない「安請け合いしない」

せっかくきた相談だし、仲良い人だし、忙しいけど受けておこうって絶対しない。締め切り、金額、スケジュールを確認して、厳しければ申し訳!!と断る。結局徹夜とかして時間捻出しても余白がない仕事は次のクオリティを目指す余裕がない。100出せるところに100もしくは時間によってはそれ以下のアウトプットは長い目で見てマイナスなので潔くお断りする。

仕事がない人はここを焦って、安かったり、タイト過ぎたり、本来は自分には向いてない仕事も受けてしまう。クオリティを出すより、仕事を得るを優先し過ぎると永遠にこのループにハマる。安さを求めて来る人と仕事してはいけないし、内容次第なところはあるがタイトすぎるのもよくない。

欲しいものがクオリティ、内容じゃない場合、基本断る。
そういう相談が多い場合は、ブランドイメージがそうなってるか、駆け出しの人は修行だと思って、どんな悪条件でもオーバークオリティで出す。
最初こそキツイが、過去と同じ条件で行って来るところは、いくら仕事がなくても「仕事が忙しくて」と断る。自然と身の回りにいる相談者の質が上がる気がする。

自分のやりたいをいう

人の会社遊びに行ってなんでお前のやりたいこと聞かなあかんの!とか思われてそうだけど、俺こういうことしたいんっすよーって話をすると、相手も自分のやりたいこと語ってくれる。これすごい良い時間で、君のやりたいことがそれなら、こういう人がいるから紹介するよ!とか、あなたのやりたいだったら、こういう風な人とこんなことしたら絶対できるよ!とか、お互いのやりたいが前進する。

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なんてことをしている。生意気な!と思うかもしれないけど、小さいチームほど、気張ってないとドツボにはまるので気をつけている。

読んでくれたらわかるけど、基本仕事的な売り込みはない。
広告仕事をたくさんしていていた10年前とかは、代理店の営業さんが抱えてるクライアントと欲しいクライアントを喫茶店で駄弁りながら聞いて、思いついたんで使ってくださいとA4ペラのアイデアシートをあげていた。

僕も新人で修行期間。隙間があればアイデアを考えていたので無尽蔵にあげれるアイデアがあった。なんのプレゼントもない営業って辛いらしくて、こんなこと考えててと僕のアイデアシートを手土産に営業さんがまわると「松倉くん、仕事取れちゃったよ!」と喜びの電話がくる。じゃあ作ろうかーと動き出すなんてことを昔していた。

さすがに歳をとって、アイデアも指名で仕事もらう年齢になったので無料でばらまくってことは、もうしてないけど、世間話の一環で困ってること聞いて、こういう風にしたら?とヒント・アイデアを渡しちゃう。そんなことを今もしてる。

欲しがらないって最初に書いたけど、まずはいろんな人に何か上げることから始めるのが一番良いんじゃないかと思っている。僕にあげれるものがあれば、どんどんあげる。その結果、ありがたいことに、今いろんな人がたくさんのものを僕にくれる。

たぶん、これがうちの仕事が途切れない理由なんだと思う。
少し休みたいけど。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。