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存在しない今日を想像する

ぼーっと鴨川ベンチに座って前を通り過ぎる知らない人たちを眺める。
これが非常に面白い。そこに勝手に物語を想起して、視界から消えていく人たちの存在しない今日を想像する。

目に見えてわかることの退屈さを思う。
この日記を書く際も必ず読者の数の表示されるので見えない工夫をした。その数字に無意識的に操作されてしまう危惧があるからだ。
0人でも1人でも。20人でも100人でも。その数字に左右されてはいけないと考える。操作されている時点で自分の言葉ではなくなってく怖さを感じる。

そのような性格故にわからない・見えない物事に対して想像をぐわんと広げる方が楽しいと思っている。子犬を散歩させるおじさんが実は情報屋かもしれないし、自転車を立ち漕ぎする青年の行先には想像を超える緊急事態が巻き起こっているかもしれない。俯きながら歩く就活生にはのぞいてはいけない闇があるかもしれないし、同時に架空の物語の主人公たちの1ページに黒づくめの松倉おじさんもいるわけだ。

あら、あなたの髪型好みだわ。と丹後の定食屋で話しかけられる。
ある特定の世代であった眉毛整えすぎて消えた結果、刺青で眉毛を掘った世代のおばさまだ。そのおばさまは僕をみて「陶芸家?あ、ファッションね」と確信めいた顔と声量で予測をしてきたが、説明がむずかしい。
でもこれも想像の世界。陶芸家ですと言い切ればよかったかもしれない。

なんだか最近カメムシが多いわねぇ…何かに有効活用できないのかしら?
急に放たれるおばぁの疑問。でも確かに。一行ののち、おばぁがいったのが。

「爆弾。カメムシ爆弾。」

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461字
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