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怠惰のススメ

効率が良すぎる。これが決していいことだけじゃないと気づいたここ数日だ。在宅勤務で効率爆上がりにも関わらず、ずっと家のデスクにいる。会議だってこのままでいける。言うてしまえば機械みたいなものだ。これを働きながら無言でその感覚が積もってきていたのかもしれない。

医療従事者など最前線で戦う人たちには決して言えたことではないが、今できることがとても限られた僕のような生活者は適切なサボり方をしっかり取り込まないと効率良すぎてメンタル崩すみたいなことが起きそうだ。

数ヶ月後のことすら予測できないので手と頭を動かすことの切実さももちろんある。なので今まで以上にフルスイングで仕事に向き合ってしまう。まぁいいことなんだけど、実はオフィスから家での往復時間だったり、ちょっとコンビニにおやつ買いにいく時間やスタッフと談笑する時間が僕らのバランスを保つにはとても大事な要素だったのだと差分でよくわかる。

それと僕の場合は飲みにいく機会が皆無になったことだ。当社比でいけばたいへんなことになっている。あの無駄で怠惰で浪費的な(今の地点で見れば)時間は、僕の魂のバランスを取るためには欠かせないものだったと痛感している。

僕ら人間は不思議な生き物で効率的なことを求めながらも日常ではとても非効率的な判断を当たり前のように重ねている。一見矛盾した選択が実は複雑怪奇な人間性を維持しているシーソーのような役割を果たしているのかもしれない。

感覚的に6割効率的な仕事、4割無駄なことのバランスなのかもしれないなとデスクでぼんやり考えている。今日も19時に仕事を終え、Adobeの見慣れないソフトをダウンロードし色々暇つぶしに触っている。実際暇ではないのだが、心のどこかで暇な時間ってものを無理やり作ろうとしている。

今改めて、怠惰な選択の大切さを知ったような気がしている。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。