自分の価値を考える
32階のビルの最上階の中華料理を食べながら、仕事の話をし酢豚うめーなぁと心の中で呟く。二日酔いで髪はボサボサ。みんなスーツをシャキッと決めて、僕は猫の毛だらけの服を纏っている。警備員がいたら止められる感じの身なりだ。
春みたいな高解像度の大阪を眺めて、もし会社員だったらどんな自分だったのか想像していた。そういう未来もあったのかもしれない。でも僕のカバンにはバカでもわかる管理会計みたいな本が入っており、スマホは鳴り止まないのでカバンに突っ込んだ。
ときおり、誰もが知るような会社なのに、なぜ僕に仕事の相談をするのか不思議に思うことがある。会議中も不思議だなと思いながら会議風景を眺めていた。ぼーっとしてる頭の中ではテトリスみたいにガシャガシャ色々組み合わせいくつかのアイデアが出ている。もう少し解像度上げて伝えようと心にしまう。どこを怪我してるから、ここに問題が出てる。このパーツがないから歯車が回っていない。そういうのは話を聞いてるとパッとわかる。才能と呼べる唯一のものかもしれない。
あーここ直したら全体が動き出すなって直ぐにわかる。これが分析と俯瞰。そこにどんな形状と素材のものを入れると良いかを考える。これがアイデアだ。それを誰でもわかるように伝える。これがコピーライティング。
んで、こういう感じの世界を見せる。これがディレクション。
したらば、こういうビジネスが生まれて、こんくらいの利益が見込めるかも。これが今勉強しているやつ。
子供の頃から、なぞなぞやゲームが好きだ。迷路も。迷子も。
思考の巡回をして、世界=ルールや法則に気づく。それを解く。
その法則は他の問いにも横たわってる。これは前回解いた奴と一緒だとぱっと見わかる。たくさんのゲームを解いてきた。通常のお仕事の人より問いの量は天と地ほどの差があると思う。その積み重ねだけが今の僕の価値なのだなと思う。
ときおり、自分のことを俯瞰してみる。何してるんだろうこの人。
どうしたらもっと面白い人になるんだろうと他人を見るように自分を見る。
どうして面白く/良くなって行こうとしてるんだろう。
そうかワクワクする未来に生きていたいからだ。いつもこの結論に至る。
プロジェクトの最初は結構な打率でチームが難しい顔をしてる。
自分だけニコニコしてるかもしれない。難しい問題きたと喜んでいる。
でも、本当の僕の価値はアイデアとかじゃなく、チームみんなでワクワクする絵を見て、大変だけど一歩ずつ前にいこうぜ!という空気なのかもしれない。それを期待して呼ばれてたとしたら、これ以上に嬉しいことはない。
私のどこが好き?ってカップルが聞く会話みたいで恥ずかしくて聞けないけど、今度飲んでる時に思い切って聞いてみよう。
いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。