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謙虚で優しくあるための個人的な方法

僕が今まで会ってきた人たちの中で尊敬する先輩たちは、どの人も謙虚で優しい人だった。有名、無名問わず、お世話になった漁師さんから、先輩クリエイターまで、等しくみな謙虚だった。ああなりたいと若造は見上げたわけで彼らがなぜ謙虚で優しいのかを考えた時期があった。そこで気付いたのは以下のことだった。

謙虚で優しくあるための練習
1.肩書きを見ず、目を見る。
2.スケジュールは腹8分目(できれば5分目)
3.忙しいと思ったら考え直す

肩書きを見ず、目を見る。

謙虚というのは自分を下げるでもなく、ましてや上という意識ない対等な平行線に立っているという意識なのように思えた。偉そうにいうと、抵抗があるし、嫌に自分を下げて話すのも意図的に感じる。誰でも体感したことがあるはずだ。謙虚であるということは意識の根本として年齢問わず同じ地平にいることを理解している状態だと僕は思っている。

人はどうしても、その人そのもの以外の情報も加味して人を見る。
しかし、謙虚な人ほど、名刺など目もくれず、こちらの眼差しとあちらの眼差しをまっすぐに結ぶ印象がある。じっと深淵を見つめているような。そういうものに僕らは慣れてない。目を逸らしがちだが、これは逸らしてはいけない。この若造に対しても平等に真摯な眼差しを向けてくれている。何者かは対話の中で理解し合う。それに気づいた時、SNSやテクノロジーのおかげでコミュニケーションは高速化したが、進化はせずに本質的なところでは退化しているのだと気づいた。

自分を繕ったり、嘘をついたり、見栄を張ったり、わざと蔑んだりする人は、目を見ているとわかる。交わる時間が圧倒的に短い。対話が苦手な人もたくさんいると思うが、どこかで自分を相手より下の存在だと蔑んでいる意識があるはずだ。なので僕は相手の目線を対話中かならず見つめることを心がけた。そして、考えるときは空を見つめる。それってつまり、こういうことですか?と目を合わせる。自分の意識のスイッチングを目に見える形で示していく。

とても簡単なことだけどわりと度胸がいる。
目を合わせるとき、その人そのものを自分が取り込むことになるから。
しかし、これをやらないと知らない人とのキャッチボールというか壁打ちみたいな対話しか生まれない。それは対等ではなく投げやりな関係性ともいえる。それは避けたい。こと自分の仕事においては。

僕の中で謙虚というのは、誰に対しても真摯に向き合うことを指している。
子供でも後輩でも先輩でも大ベテランでも。みな個々で個性を持った存在であるというイメージがある。

スケジュールは腹8分目(できれば5分目)

次に謙虚な人は優しい。優しいというのは難しい。表向きの優しさと人知れず注がれる優しさがある。謙虚な人を見ていて思うのは、僕と真剣に向き合う準備をしてくれているということ。つまり、時間と心の余裕がしっかり計画されていることだった。

スケジュールを見て欲しい。打ち合わせの後に別の予定がぎっしりなんてこと当たり前にあると思う。本当に優しい人って、ここに余裕を持っている気付いた。今日の対話をしっかり咀嚼して考える時間を設けてくれている。慌ただしいと話したことも数日置いて意味が変わってきたり大事なものが抜け落ちたりする。優しさは時間的な余裕から生まれる心のバッファだと思った。忙しすぎると対話やそのあとのやりとりが雑多になる。これは今でも気をつけながらやっているが難しい。

ある商談に急いでる時に前の仕事がギリギリまでかかってしまったことがある。大切な商談なので、慌てて家をでる。道を塞いで歩く人や自分の時間を奪っていくものが全て邪魔に感じる。これって全然優しくない。どうしてそうなったのか考えると、時間も心も余裕がないから。ただこれだけだった。それに気付いた時から、時間的な余裕はクオリティに直結すると意識している。ささいなことへの配慮や、対話、関係性、どれも余裕があることで優しくあれる。スケジュールは腹8分目できれば5分目くらいが理想だ。

この余裕をうむことで、その日出会う人や交わす言葉、それらへの配慮が生まれる。とてもシンプルだけど、短絡的に謙虚であることは手に入らない。それは日々の積み重ねで当たり前にしていく作業が必須である。
その根本にあるのが時間と心の余裕であると仮定して、ここ数年スケジュールにはだいぶ余白を作って行動している。

忙しいと思ったら考え直す

忙しいとギュッとつまりがちな日もあるが、このことを思い出して再調整している。めっちゃシンプルなくせに超難しい。これを意識して日々働いている。マンスリーのカレンダーを見て、密度を見る。あぁ、これはダメだなと思ったら一気に再調整を測る。余白を確保するためだ。

余白を計画することで、日々起きるさまざまなことへ謙虚に向き合う時間が生まれる。この余白がないことで余裕が消え、時間に追われ、対話が雑になる。全ての根本はこの時間的余裕じゃないかと思っている。

最近、期末とあって慌ただしかったので僕も今ここを見直している。時間に余裕を、心に余裕を、それが人に優しくにつながり、対話を大切にすることで謙虚に至ると思っている。
誰かのヒントになれば幸い。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。