融資を受けてみた話
ずっと前の日記で銀行から融資の相談を受けて、会社的にはそんなお金に困っていないから自分のお金でなんとかした方がいいだろうと語っていた。しかしお金の勉強をいそいそ続けていくと、なるほどなぁと思うお金の不思議がいろいろあり、つい先日初めての融資を受けた。
僕の時間のなさのせいもあるが、結局2ヶ月ほど借り入れまでに時間がかかった。基本銀行はメールでのやり取りがなく電話。そして僕は大体打ち合わせ。かけ直そうと思うと大体営業終了時間。みたいなことやいろいろ必要書類も多く銀行の担当者(とても丁寧で良い人)は、丁寧に説明してくれて学びながら融資を受けるまでに至った。
今の僕の知識でいくと簡単にいうと借金だ。だけど、個人での借入と法人での借入はちょっとニュアンスが違う。僕は以前まで借金じゃんというレベルで思考が止まっていた。そもそも融資の話を銀行がしてくれる時点でうちの会社を買ってくれている。成長可能性を見てくれている。と同時に少ない金利ではあるが銀行側にも幾ばくかの売り上げにつながる。
特にうちは社員を増やしている時期であり、いつも銀行で副支店長と立ち話をしながら、もちろん彼らの仕事なのでいろいろな商品の売り込みをしなければいけないのだけど、このタイミングであれば融資受けていた方がいいとか、その時のメリットデメリットを色々教えてくれる。何より、うちの会社の数字は安定しないので(未来永劫)毎月数字の浮き沈みが激しい。この謎の業界に対して理解しようと真摯に向き合ってくれる。その理解しようとしてくれる姿勢が信頼になっている。
社員が増える前は融資とか別に不要、と思っていた。別にいいっすわーと銀行と話していたけど、社員が入るとお金の意味がまた多面的になりますから!としっかり伝えてくれた。おっしゃる通りで社員が入るとお金の意味が変わった。毎月支払うお給料の先に家族がいる。実際会ったことないけど、もしこれが途絶えてもしたら、彼の暮らしを僕が脅かすことになる。あ、怖いなと思った。
言うてることがわかりましたわ。と言うことで融資に至る。お金の余裕は心の余裕っていう本当の意味がよくわかった。融資を通じてもう少しお金の勉強をしようと思ったわけです。
で、窓口の奥の方の部屋で色々相談が始まります。
いろんな事務的な手続きは置いといて記憶しているところでいくと
「いくらくらい必要ですか?」
となるわけです。当たり前だけどね。そこで僕は「考えてなかったっす」と答え、銀行員も流石に引くという。哲学のような時間を少し過ごした。というのも「未来に必要になるお金」だから。会社の成長のためにいくら必要か?と言う問いは非常に面白かった。そうかお金は貯めるものじゃなく未来に投資するもので、その先にある姿が成長した自社の姿かとリアルタイムに現場で頭を巡らせる。
そこから色々友人たちや先輩たちと飲みの席でお金の議論をする。
ある人は「人ではなく設備に投資をすべき」といった人に投資すると退職した時に投資損になると、ほう、確かになとも思うし、いやうちが投資できるの人しかないわとも思った。マジで人だけで価値を発揮して商いをしている会社なのだ。
そして、色々悩んだ挙句、融資のお金は「人と機会」に使っていこうと思っている。従来の仕事とは違うことが今いくつか起きている。それはうちの会社起点の新しい状況作りなのだけど、機会を起こす、機会でお金を生んでいくことで融資分を回収しきれないか考えている。
あとは人である。どうだろう、まだ退職者がいないから想像ついてないんだけど、やはりうちのスタッフの成長機会を増やしていきたい。僕の仕事をサポートすることだけじゃなく、彼ら彼女たちがやりたいと思ったことをビジネスにしていけないか。そう思っている。依頼頂く仕事半分、自分たちが仕掛ける仕事半分が理想だ。そして、自分たちで仕掛けることには自分たちの財布から出す必要がある。
まぁ色々書いたけど、お金って不思議で、もう一人の社員みたいだと最近思っている。口座が減るとなんか機嫌悪いなとか調子悪いなと思う。僕の中でお金を擬人化しはじめている。あれ、このお金ダサいなとか。このお金、ずっとここにいるな?停滞したら死ぬよ?とか思う。
水は止まると腐るんだけど、お金も水と同じだと気付いた。
この流れを止めずにあるべき場所へ流し続ける。自社の口座があるべき場所じゃないと気づけたのがデカかった。昨年の残しすぎた大きな黒字は今期全て社員の給与に変えてしまった。銀行にも言われたけど振り切りすぎ!と突っ込まれた。ガハハと笑うことしかできないがそれでよかったっと思っている。謎に大きなお金がうちの口座に停滞するよりも、この会社に共感し寄ってくれる仲間たちの暮らしや成長に流れていったお金は幸せだと思う。
まだまだお金の勉強中だけど、お金が擬人化しだして、なんか良いお金と、なんかダサいお金が少しわかるようになってきた気がする。お金は汚いものだとどこの時点でなったのだろう。サラサラの綺麗な水みたいだ。もしかしたら、見てる側の視点が曇らせていたのかもしれないなぁ。
=== 追記 ===
融資を受けた一番のポイントは一度融資を受けた関係になると、追加融資の相談がスムーズ(時短可能)という点でした。信用調査的なもので時間がかかるので一度関係性ができると今後スムーズとのことでした。しっかり借りて、しっかり返す、この関係性が築けると次大きなことにチャレンジしたい時に強い味方になってくれる。そんな先々の挑戦や関係性のことを考えて融資を受けました。大人の世界は色々あるんだねぇ。
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いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。