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小さなチームの(個人的な)組織論

前にやっていた会社は個人商店の集まりのようなもので、財布は同じだがそれぞれ独自の動きと商売をしていた。そこから自分だけしかいないNue incを立ち上げて、来週には仲間が増える。

僕の会社はいろんなものを作る機会が多く、「デジタルー平面ー立体ー言葉ー理念」みたいな有形無形が入り乱れる。かつ関わるお客さんはもういろんな会社があるので、なれた僕なら良いけれど新しいメンバーには慣れるのに少し時間がかかりそうな気がする。

では、自分がどうやってアウトプットバラバラなものを同時並走で動かすことが出来るようになったのかを考え直していた。
最初に押さえておくべきは、各アウトプットのリスクがバラバラだということ。デジタルならデジタルの気をつけるべき点、平面の紙ものなら印刷で気をつけるべき点、空間なら空間の気をつけるべき点(多分空間が一番制約が多い)それぞれ異なる配慮すべき点を理解することを優先していた。

ありがたいことに、僕の周りには優秀なクリエイターがたくさんいて、例えば初めて空間の仕事をするときなど、仕事の相談とともに彼らの動きや懸念点を全て聞くことができる。ここどうなってますか?と聞かれる点全てがこちらが事前に把握すべきポイントであり、彼らの疑問が全て配慮すべきポイントのヒントになっている。

実践の中で学んで行くことができ、かつそれらの経験値は以後の仕事に共通して役に立つ。僕はこれまで自分でプロデュースする案件がなかったので1期目の終わりには音楽公演を結構自己資金突っ込んでやってみた。ここでも多くの気づきがあるように、経験を買うことで「出来る」に変えていっているなと気づく。

まずはこれらを共有知や体験として与えることをしつつ、今は個別の役割(ロール)を分けて、いかにスムーズに業務をキャッチボールできるかを考えている。新たな仲間はプロジェクトマネージメントを担ってもらう。特に僕のロールとしてはプロジェクトの動き出しと、クオリティマネジメントがメインになってくる。スケジュール管理やリスクヘッジ、制作進行管理はできることはできるが、それが本業かと言われると違う。なのでこのロールを新しいメンバーに預けることができれば僕の動きの幅と深さが作れる。

逆に僕ができていないことといえば、新たな仕事を得るための動きや今後の会社の方針や戦略・計画に十分な時間を当てられていない。仲間との分業で軽くなる部分をここに当てることができると思っている。

これらは会社を健全に“維持・運営”するための基本動作でしかなく、重要なのは“社員の成長”をどう計画し、機会を与えていけるかが大事だ。ここが一番ないがしろになるといつか潰れるだろう。

とてもシンプルな考え方だが、「やったことないことをやってみよう」ということなんじゃないかと思っている。例えば、僕のリサーチはすごいフィジカルと感覚的なところで情報をキャッチアップして、言語化する内容になっている。ニュアンス的にシャーマンちっくである。

しかし、もっとロジカルなリサーチもある。フィールドワークだったり、このあたり、もっと学術的にしっかり行なっているチーム(京都大学とか)に相談して、同行させてもらうなど自ら機会を作り、成長と気づきのタネを収穫して行く必要がある。これが業務だけになると金稼ぎだけの時間が長すぎて、お財布的にはいいけど未来の自分たちの首を締めると思っている。

あくまでこれは松倉個人の成長課題だが、社員それぞれのロールと個性と強み・弱みがある。これらを理解して、自分たちで学ぶきっかけを企画できるように投げかけて行く必要がある。

来年4月には新卒の子も入るわけで、その子の特性や個性を理解し、どんな機会を提供していけるか。そして自分で機会を創出できるようなれるかが、とても大切だと思っている。僕は新卒時代にすごいたくさんその機会を与えてもらって、うまく行くことも失敗することもあったけど、自分の力の形状というか力量が体感できたのは、とても良い経験だった。それと同じものかそれ以上を与えてあげたい。

再来年頃にはそれぞれが自身のフィールドを持ち、各々背中を守った状態がひとまずできるのではないかと思っている。3人それぞれが異なるロールを得意としたスペシャリストになれれば、もっとうちの可能性とクオリティは高くなっていくはずだ。

- 違和感ないロールの割り当てと目的の明確化
- そのロールを拡張する可能性を広げる機会創出
- それらの挑戦機会と評価体制

これをしっかり作っていこう。

この1年は結構、僕の正念場。しっかり仲間と向き合って、組織を維持し、成長させれるか。これまでの個人商店でマイペースにやってきたところからの急な真面目モード。でも、ちょっとワクワクしている。いろんな課題を超えていこう。

いただいたお金は子どもに本でも買おうかと思ってます。