【エッセイ】優しい傷と言うしかないのか
最近私は優しい傷に惹かれる。
Dear Evan Hansenというミュージカルを観た。思いやりのある少年Evanが傷を恐れてやさしい嘘をつき、やがてその嘘が自分の範疇を越えて広がってしまう。最初この作品に出てくる人々はEvanと違って、「ふつう」に暮らしているようにみえる。でも実際はいろんな傷や秘密を抱えて誰にもいえず、自分には価値がないと考えてしまうような人がたくさんいるのだと、だんだんみえてくる。劇中歌のThe Anonymous Onesがこのことをよく表していると