見出し画像

山村訪問「こんな暗い話でごめんね。」

とある山村にヒアリング調査に行ってきました。
過去に教授が調査していた地域の追加調査です。

どこの地域もそうですが過疎化・高齢化が深刻です。
今回の山村は高齢化率50%以上、人口は800人くらいでした。

元々お祭りなどが町の名物でしたが、台風19号、コロナの影響によって途切れてしまったそうです。もう再開を見込むのも困難な状態。

人口グラフを見ると子供は50人くらいで、20~30代も100人以上。
「結構いるな」と思いませんか?

しかし、地域のために働きたいと思う人は0みたいです。
だから、終活に力を入れているとのこと。

以下みたいな会話もしました。

「若い人の中で地域のために働きたい人は本当にいないのですか?」

「じゃあ、この地区をあげるよって言ったら何かやろうと思う?」

"やりたい"それが本心だけど"やりたくない"が答えです。
人がいない、お金もない、土砂崩れのリスク、野菜を作っても動物たちに食べられてしまう場所。
その地域を活性化することは困難です。"できない"としか言えませんでした。

「この先に希望がない。こんな暗い話でごめんね。」

そう謝られてしまいました。

その後、地区をちょっと散策。

何人かで畑仕事をしている姿も見かけました。

「あれこそ幸せだよな。」
教授がぽつりとそんなことを言っていました。

とても綺麗な場所ですが、希望がないと言われる場所。
日本にはいたるところにそのような場所があります。

「なんとかしたい」と考える私に
「メディアは一時の町おこし、話題しか紹介せずに、その後は追わない。明るいところしか見せないんだ。例え綺麗でも、未来がない地域は多い。良い面ばかりをみようとせずに、現実と向き合うことが研究だよ。」
教授に言われた言葉がとても刺さりました。

なんとかしたいと思うことは簡単です。
でも、それはただの綺麗事。
感情的にならずに一つ一つの現実をしっかり受け止めることがとても大事。

覚悟が決まったヒアリング調査でした。

読んでいただき、ありがとうございました。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?