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つみたてNISAにはデメリットはありませんか?

メリットが多くあるつみたてNISAですが、注意すべきところはあると考えます。以下の点に注意が必要です。

①スイッチングに不向き

②満期が決まっている

③満期後の非課税対策がない

④継続しにくい(心理的側面)


①スイッチングに不向き


運用商品を換えることをスイッチングと言いますが、つみたてNISAの仕組上これが難しくなっています。

「ドル・コスト平均法が効かなくなるのでスイッチングは考えていません」

というご尤もなご意見もありますが、つみたてNISAを始める際の金融リテラシーが低い状態で20年先まで見据えた銘柄を選べる人は多くありません。

金融リテラシーとは、資産形成をしている間にレベルアップしていくものでしょう。

そのため、購入してきた商品を売却して、その資金で別の商品を買うということをしようとすると、つみたてNISA制度は年間40万円分の非課税枠しかありませんから、購入してきた分が40万円以上の場合は非課税枠からはみ出てしまいます。

この場合、はみ出た部分は勿論課税の対象になりますし、その年の非課税枠を使ってしまうわけですから、その年に積立する分に関しては非課税枠を利用できなくなります。

ゆえに、つみたてNISAではスイッチングは不向きであり、運用商品を換えることは現実的ではありません。

運用商品をやっぱり変えたいと思った場合は、今まで積立した分は一旦忘れて、またイチからスタートすることとなるか、これからのポートフォリオ配分を決めていくことになります。

②満期が決まっている


つみたてNISAの満期は20年と始める前から決まっています。

すなわち、自動的に20年後に利益確定が行われ、課税口座に移ります。

ちなみに一般NISAであれば、5年満期ですがロールオーバーという仕組みがあり、翌年の非課税枠を使って移行することができます。

利益確定されて何が問題なのか解説していきますが、金融相場とは〇〇ショックが何年か毎に起きるのが一般的です。

そのため、期間の後半まで順調に資産が増え続けていても、タイミング悪く〇〇ショックを受けて満期時にプラスでなくなれば、非課税の恩恵を享受できないというわけです。

その上、〇〇ショックを受けても、世界の需要が伸びる以上は相場は反転して回復していくわけですので、いずれはプラスになるというのが一般論です。

反転して回復していくのは望ましいことですが、非課税枠から外れた20年以降は当然課税されてしまうのは盲点になりがちです。

一方で、満期になるまでにある程度利益が出ている状態であれば、満期前に自分で利益確定、すなわち売却するという選択をしたほうがいいのでは?

という意見も出てくると思います。

ただ、この観点は投資家になる上で非常に重要な部分ですが、残念ながらこれをタイミングよく出来る人は世の中に多くいません。

ほとんどの人は、順調に資産が増えている状態で、

「もうお腹いっぱいなので(これ以上お金は増えなくてもいいので)やめにします」

とは言えないものです。

金融相場とは自分の思ったとおりには動かないケースが多いので、満期があるというのもタイミングの問題でマイナスに働くことの方が多いと想定されます。

③満期後の非課税対策がない


「満期後のことなんて考えていません、とりあえず資産を作りたいです」

という方も多いと思いますが、資産形成するために積立をするわけではありません。

資産運用するために、積立をしていくわけですから、出口戦略まである程度見据えてやっていくことが望ましいと考えます。

そもそも、資産形成時期の利益は資産運用時期に比べたら少ないはずですので、資産運用時期に沢山課税されてしまいます。

要するに、積立中は非課税だからというメリットを過大評価する必要はないと考えます。

それよりは、着実に資産を形成できるのか、という部分に重点をおいて考えることも重要だと言うことです。

④継続しにくい(心理的側面)


これは現実的なトピックになりますが、人間は継続が大の苦手で、自分との約束は破るためにするといっても過言ではないはずです。

英会話、ダイエット、筋トレ、資格取得・・・

継続が出来ることを前提とすれば、人生はどれだけ簡単になるでしょうか。

これはつみたてNISAに限らず、証券会社と付き合う上での話になりますが、続けるも辞めるも自分次第です。

資産形成も上記と同じで、”継続すること” がパフォーマンスを最大化します番優先順位が高いのは、利回りでも非課税枠でもなく ”継続” ということです。

継続するために他者を使っている人は多いと思いますが、積立に関しても同様のことが言えると思います。

”続けることは難しいこと”

という前提の元、資産形成方法を考えていくのが、結果的に目指したゴールにたどり着くためのポイントです。

一旦積立を止めたいと思った時のためにペナルティを設けておくのも一つの案でしょう。

一旦止めてしまうと、また再開するのにパワーが必要になりますし、資産形成の味方である時間を失っていってしまいます。



つみたてNISAのメリットはたくさんありますので、今回はデメリットのみをお答えする形にしました。

資産形成ではどの点も注意点になり得ますので、これらを踏まえた上で資産形成プランを作ると結果的に資産形成に失敗する人が減ってくるでしょう。


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