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近年のがん治療はどのようなものが注目されていますか?

最近の研究により、多くの新たながん治療が生み出されています。


免疫チェックポイント阻害剤

「免疫チェックポイント阻害剤」の登場はがん患者さんにとって大きな希望となりました。
抗がん剤が効かなくなった方や、副作用が強くて抗がん剤が使えない方、手立てがないと余命宣告された方も、再発や転移してしまった方も、また標準治療だけでは不安で併用療法を検討している方も新しい選択として活用できる場合があります。
著名人などが使用することで名前が広く知れ渡った抗がん剤も多くありますが、その一方で、今後も発売したばかりの新薬は高額な治療費用を心配する声があるのも事実です。

光免疫療法

がんだけをピンポイントに壊す「第5の治療法」光免疫療法が注目されています。最大のメリットは、既存の治療法に比べて、副作用が少ない点です。
こちらの治療の費用は約700万円と言われており、現時点では、がん種も条件を満たした「頭頸部がん」のみ公的保険が適用されます。
※他に治療がない場合のみ適用される
体の表面から照射している現段階では深部にあるがんの治療は難しいとされていますが、今後、内視鏡などで照射できるようになれば、他のがん治療にも応用できる可能性は高まるはずです。
ただし、高額療養費制度の適用も含めた公的保険の適用外の「自由診療」として治療を受けることになる可能性も考慮しなければなりません。

遺伝子パネル検査(がんゲノム検査)

がんは、遺伝子の変化によって引き起こされる病気ですので、効果的に治療するには遺伝子の変化に合わせて投薬していくことが重要です。
がんゲノム領域の研究が進んだことにより、遺伝子の変化を解析し、適した薬剤で治療していくことが可能となりました。
診断結果から推奨される薬剤は国内未承認のものが含まれています。

その結果、治療が先進医療や患者申出療養制度・自由診療なども選択肢として考えられますが、高額になるため、経済的な理由で自費での診療に進めない方が多くいるのも事実です。

CRISPR(免疫療法)

腫瘍を発見・破壊する免疫細胞を作り出すことにより新しいがん治療が生み出されています。
米国では既に、一部の血液がんに対し、CAR-T細胞療法と呼ばれるT細胞を利用した治療が承認されていますが、固形がんについてはまだ対応できていませんが、新しい遺伝子編集技術により、固形がんが免疫による攻撃をかわしてしまう問題を克服できる可能性があります。

がん予防について

「胃ガン」になる原因の98%は「ピロリ菌」で早期発見して対処すれば防げるガンだそうです。ご自宅でもピロリ菌の有無を簡単に検査が出来るキットなどもあり検査も手軽です。

「肝臓ガン」になる原因の90%以上は「肝炎ウィルス」で早期発見して対処すれば防げるガンだそうです。無料の検診が指定の医療機関で受けられます。

このように、未然に防げるがんもありますので検査は非常に重要です。

また、2021年には、がん患者の10年生存率が60.2%となり、0.8ポイントの上昇に至っています。
ただし同時に、早期発見がいかに生存率にとって重要であるかということも抑えておかなければいけません。

毎年の健康診断の他に、がん検診、あるいは自宅でも簡易検査が可能ながん検査キットなどで年2回確認するなど頻度をあげて、早期発見をすることは大切です。

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