理論とデザイン デザインが色や形ではないことの証明

この内容は、元々違うことを書こうとしていた文章でした。
以前も記しましたが、こうした文章は、基本的にスマートフォンで、空いた時間に書いています。そうすると、書いている最中に起きた出来事から、違った内容になることもあります。

「いい加減な!」とお叱りを受けそうてすが、僕も日々の気付くことや成長があると思って頂ければと。

今回はそうした、自分自身で体験し、あらためて感じたことです。

よくデザイナーの方と話をしていると、「デザインは色、形てはない」ということを聞きます。それ自体は解りますが、やはり素人から見ると、やはり色や形の整った、プロのデザインはかっこよく、全く印象が違います。

ところで、僕は仕事で出るよく「図」を作ります。組織図や概念図、戦略マップだったり。
これは主にPowerPointで作るのですが、見映えが何とも、、、なわけです。
デザインと深く関わるようになって、気づけば6年ほどになります。今ではデザインの学校ても教えるようになりましたが、見る力はついたと思いますが、実際に行うのは別物、全くできません。

ちなみに、僕が作った図を、友人は「お役所が作った資料みたい」と言います。そりゃそうですよ、素人ですから。少し前は、この作業をアシストしてくれる方がいて、僕がPowerPointやExcelで図の清書を作ろうとすると、よく「時間の無駄、手書きでいい」と言われました。

実は今教えている広告デザイン専門学校でも、内容はともかく、僕の作った教材を、「学校の先生の資料みたい」と言われたり、微妙に暖かい目で見ながらも、クスッとされたり。

そりゃそうです、ずっと先生でしたから。

外注する案件なら、周りに優秀なデザイナーさんがたくさんいるので困りませんが、、、自分が作る資料のクオリティも、さすがにもう少し何とかしたい。やはりデザインの勉強もしようかなぁ、と考えていました。

実はこのことを考えていたとき、新たにKJ法で事業分析を行った企業の結果を、PowerPointで図式化していました。

その企業の方にキーワードなどを出して頂き、その場で分類・再配置して、大まかな図にします。これを後から、あらためて整った図に作成し直します。

ところで、こうした図も、デザイナーの方に作り直してもらうと、それなりに費用がかかります。おそらく多くの方は、金額を聞いてしり込みするかと。
今回はそうした予算を設けていなかったということもありますが、デザイナーの方からは「そこは求められてないから、佐伯さんが作った図で大丈夫」と言われます。

今回もそんなことを考えながら、作成した図を眺めていました。

全体の目的を考えながらキーワードを見返し、全体像と項目の関連性を考えていると、文字や線の繋がりがや色分けに、不自然な部分や、足りない部分が出てきます。そのようにして図を修正していき、情報のまとめとして納得ができると、急に違和感がなくなります。そうすると、線や文字のの太さなども、自分なりにではありますが、「これくらいかな?」というサイズが見えてきて、最終的には、全体が整って見え、「このままでいいか」と感じます。

そこで、ふと気づきました。

最初に図にした段階で「見た目」が気になったのは、実は論理的に不十分だったのです。
言い方を変えれば、論理的に不十分なので、見た目もしっくりこない。だから「デザイン」でごまかそうとした、ということにもなります。これでは中身のない商品を「デザインで売れるようにしてほしい」という、間違ったデザインの注文と同じになってしまいます。

もちろん、デザインとして優れているわけではありません。

友人の言う、「お役所の資料」の域からは出ていません。出来上がった図を、デザイナーの方に作り直してもらえば、とても見易く、解りやすい図になるでしょう。
しかしこれも友人の言うように、僕が作成した図は、社内で共有して、業務を改善するためのものですから、その役割と「機能」からすれば、「デザイン」も十分ということになります。

そこで、もう1つ府に落ちたことがありました。

実はマーケティングの講義で、「価値」について話すとき、介護用のお風呂で使う椅子の話をします。
これは以前、家族が病気をしたときに購入したのですが、見た目はお世辞にもカッコいいとは言えません。しかし座り心地の良さから、それまでの「カッコいい」、プラスチックのお風呂用の椅子を処分し、家族全員がこちらを使うようになりました。

この話は、先に挙げた「図」の話と同じだと思います。
どちらも「見た目」ではなく、その「機能」を突き詰めた結果として出来上がった「デザイン」だということです。

良いデザインとは、その機能を十二分に発揮するための結果であるということを、あらためて感じました。

とは言え、、、やっぱり見た目も大切です。

これは僕の意見ですが、デザイン会社でなくても、社内にデザイナーを有するのは、とても有意義なのではないでしょうか。
SBE Laboでも、できればデザイナーをスタッフに加えたいと考えています。

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