戦略は誰でも立てられる3 多くの情報に惑わされない~まずは基本から

僕は主に中小零細企業や個人店などの政略支援に携わっています。勉強熱心な方は、ビジネス誌やインターネットから新しい考え方や視点を得る努力をしている方もおられます。僕自身、学術論文だけでなく、ハーバード・ビジネス・レビューなどにも目を通します。様々な新しい考え方が紹介されており、これらについての質問を受けることも少なくありません。この時注意してほしいことがあります。それは最新のビジネス理論や考え方を示す人や企業は、既に基本的な経営戦略理解し、行ってきたという点です。

経営戦略論の基礎といえば、チャンドラー、アンゾフ、ドラッカー、ポーターといった研究者が挙げられます。また1970年代以降は、大企業やコンサルティングファームが実務の中で形成した様々なフレームワークがあります。SWOT分析などは随分有名です。最近ではデザイン思考などの発想法が注目を集めています。

しかしこうした多くの方法は形だけ真似ても効果がありません。

例えばSWOT分析であれば、各項目を埋めるために、最適でも10種類以上の分析手法を使用し、その後クロスSWOTを行うことで、初めて戦略判断の基準となります。しかもこれは基本的な分析であって、戦略立案は別です。

またデザイン思考では、デザイナーが行う、観察➡共感➡問題定義➡創造➡プロトタイプ➡検証➡実装というプロセスで考えます。しかし実際にデザインの考え方を身につけなければ、ただ思考法だけを試しても、主観的なフラッシュアイデアで終わってしまいます。僕も実際に色々な分野の、最先端のデザイナーの方と仕事をしましたが、高い技術を持った専門家の知識や能力を簡単に真似することなどできるはずがありません。

こうした方法を実施して効果を得るには、基礎的な知識や経験がなければうまくいきません。これから戦略を考える方は、難しいことや多くの情報を気にするする必要はありません。まずはそれぞれの現状を適切に把握し、目標達成までの確実な段階を設定するべきだと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?