マーケティングの教材のお話しから〜

今、広告デザイン専門学校の、マーケティングの講義で使っている教材は約60ページほど。

それなりの量です。

最初は毎回プリントを配っていたのですが、新型コロナウイルスの影響で、2020年度に、事務の方に印刷して綴じたものを配布して頂いて以来、この3年は講義の初回に、ホチキスで綴じたものを配布しています。

さてこの教材、マーケティングの講義は2年生の前期なので、毎年年度頭に、事務の方に作成して頂いているわけですが、これはかなり大変で、コピー代もばかになりません。
学生さんからしても、普通紙を綴たものなので、しっかり勉強する方ほど、半期が終わる頃にはヨレヨレになります。
またこの教材は書き込み式のワークブックになっています。学生さんには、「講義の内容をちゃんと記入していけば、デザイナーとして30歳まではこの1冊で仕事ができる自分のテキストを作るためのもの」と説明しているのですが、こうした使い方をするとボロボロになってしまいます。
広告デザイン専門学校を卒業し、研究生として残り、僕の講義を複数回受講した学生さんは、簡易な製本をしていました。

こうしたことから、この教材をプリントパックあたりで製本して配布することを考えていました。

さて、僕は普段から、文章や資料は明朝体で作成しています。これはそもそも、論文などが明朝体ということもあるので、単に僕の慣れです。
大学勤務時代は、学生さんに配る資料や研究会のレジメなど、何も気にせずMS明朝で作成、印刷して配布していましたが、デザインの世界と関わり、游明朝を使ったり、文字の大きさやウェイト(少し前からのボールドをやめました)、行間などにも気を使うようになりました。
とは言え、僕はデザインのスキルはありませんし、使っているソフトはWordなので、デザインと呼べるほどのものは作れません。

でもせっかく製本して配布するなら、もう少し整ったものにしたい、、、

ということで、ゴシック体にして、文頭1字空けナシで、と、僕としてはかなり思い切った挑戦をしようと思いました。

さて、年末という言葉がチラホラと聞かれ始めたこの時期に、広告デザイン専門学校の校長と雑談をしながら、教材の製本の話をしました。すると校長から思わぬ提案が出されたのです!

それは、デザイン学校なので、学生さんから有志をつのり、プロジェクトとして取り組むというもの。

そんな手があったとは、、、

確かにそれなら、「自分たちのテキストを作る」ということになります。エディトリアルデザインの授業や課題はありますが、主に雑誌編集のような内容なので、教材作成は勉強になるでしょう。

ただし、問題が2つ。
僕はデザインの実務は全くできないので(そもそもここが話の発端)、他の先生に指導してもらわなければなりません。
そしてもう1つの問題は、終了製作が近づいているこの時期から参加してくれる学生さんがいるかどうか。

要検討です。

さて、この話から。
産学連携という言葉が聞かれるようになり、補助金なども出されているためでしょうか。時々「学生さんを使って(安く)デザインを、、、」という話がありますが、基本的に、こうした話はお断りします。

そもそも、産学連携はそういうものではないというのもありますが、本当の問題は他にあります。

まず、学校でデザインを受け、学生さんがデザインを行うとしても、かなりの時間や労力を使います。また当然ですが先生方がしっかり指導します。
デザインの学校で指導をしているのは、それなりの実績を持ったデザイナーの方々ですから、ある意味では「安くデザインします」と謳っているデザイン会社より高くなります。それでも、学生さんの勉強になり、相手企業の利益にも繋がるものであれば、それなりの金額で行うことができます。

またこうした話を受けない、更に重要な理由は、そもそも「学生さんを使って(安く)」という発想自体が間違いだからです。
例えば、学生さんがターゲットの製品であるとか、地域の特徴を一緒に考えるといった理由であれば良いのですが、「安く」という発想では、良い製品は作れません。実際にそうした発言が見え隠れする方の案件は、その製品自体が安直で、言葉は悪いですが「雑」に感じられるものがほとんどでした。

さて今回の教材の話、学生さんのためにもなると思うので、是非やってみたいと思いますが、来年の取り組みになるかもしれませんね。

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