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TSUTAYAの閉店セールに行ってみた

1月31日にTSUTAYA和泉26号線店が閉店すると聞いた。

このTSUTAYAはレンタルCDの品ぞろえがおかしいぐらい凄かった。もっと近くに別のTSUTAYAがあったはあったのだが、そっちより断然品ぞろえがよかったので、自転車で40分ぐらいかけて通っていた。車を運転できるようになってからはもう週4ぐらいで。

カセット→MD→PCへの取り込みという時代の流れの中心にこの店があったわけだ。
謎に残響レコードの特集が組まれたり、インストゥルメンタルバンドが流行ると即座に特集が組まれたり。夏フェスが各地で開催されるようになるといろいろなバンドが特集された。
出会ったバンドも多い。SpecialThanksやSAKEROCKなんかはブレイク前にこのTSUTAYAで特集されていたのを聴いたし、THEE MICHELL GUN ELEPHANTやⅩ JAPAN、YELLOW MAGIC ORCHESTRAなど、解散してしまっているバンドもたっぷり掘り返すことができた。
そして10-FEET、the pillows、椎名林檎ら、世代直撃のアーティストはがっつり聴くことができた。

他にもコンピレーションアルバムはかなりあった。ボーカロイド系の曲は大体ここで覚えた。米津玄師がハチを名乗っていたころや、wowakaのアルバムも借りた。

ゲーム売り場でいうとドラゴンクエスト9が発売された日、朝7時に店を開けて受け取りができた。今でこそダウンロードしてそのまま始めることだってできるが、当時はそんなことできないわけで。仕事前にここでドラクエを受け取り、そのまま電車に乗りドラクエをしながら仕事場まで行った。

本もたくさん買った。参考書から専門書、コミック、週刊誌に至るまで本当にお世話になりました。

そんな天国のようなTSUTAYAだったのだが、時勢なのか、ストリーミングやダウンロードに圧されてなのか、ついに閉店することになった。

地味に困るのはこのTSUTAYA、この界隈で一番デカい本屋さんも兼ねていたのだ。もちろん本屋も周囲にないわけではないのだが、CD、ゲーム、本とそれぞれのものが一つの店で揃う、という環境はなかなかあり得ないのだ。タワーレコードだって、紀伊國屋書店だって、全部は手に入らない。

1月24日、セールに行ってみた。
レンタルCDコーナーは人でごった返していた。
すでに前日から値下げされていたということで、棚はかなりスカスカ。もしくは乱雑にCDが積み重なっていた。

そりゃあそうだ。前日は入店制限があったぐらい人であふれていたそうだ。
大きなずた袋を持った人たちが大量にDVDを買っていったらしい。……転売か?

YMO、すでになかった。10-FEET、もうない。遅かったんかなと思っていたが、こんな時にも意外な出会いというのはあるものだ。

広島東洋カープ選手別応援歌2002
あれ?こんなのレンタルしてたの?あったの?阪神のすら見たことなかったよ?

なんというかね、めちゃくちゃ懐かしい。21年前。今や新井が監督だもんね。
あと「助っ人外人」とう表記が時代を感じる。ちなみにこのテーマで歌われた名前は「ロペス」。ディアスではなかった。

さすがにもうないよなーと思っていたミッシェルのCD。なんと紙ジャケットのこのRUMBLEというCDが残っていた。こちらはベストアルバムの一つ。
CISCO~想い出のサンフランシスコ~、キャンディーハウス、カルチャー、ゲットアップルーシーなどなど、聴くだけでウヒョー!!!!となるものが並ぶ。

何よりウヒョー!内容は歌詞カードの裏にあった。ベストアルバムということもあり収録されているシングルの写真が並べられている。ダウンロード・ストリーミングの現代では失われつつある文化だ。

ミッシェルと言えばこのTSUTAYAの店員さんの一人にものすごくミッシェルのことを熱く語られたのを覚えている。


なんじゃこりゃ、というジャケット。こちら2002年に発売されたコンピレーションアルバム。サッカーワールドカップを記念して(?)FIFAのアンセムと2002年ワールドカップ出場国の国歌が収録されているというもの。
やっぱりフランス国歌の和訳で盛り上がる。なんというかこれも時代の空気を詰め込んだものなのだ。

他にもCDを買い、レンタルコミックも数点買った。

閉店までにもう一回ぐらい行こうかな。もうすっからかんになっている可能性すらあるが、それを差し引いても青春のど真ん中を過ごした場所がなくなるのだ。お別れぐらい何回もさせてほしい。

改めてこのTSUTAYAは、過去の音楽も、今の音楽も(お金さえ出せば)自由に聴くことができた。その時代の空気を明るくしてくれた店だった。
棚の中でボロボロになったCDたち。たくさんの人の手に渡ってたくさん聴かれたんだろうな。もちろんその分名曲なのだ。
こんな文化は続いてもいいじゃないか、って思うんだけどな。

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