【温泉】箱根湯本温泉「萬翠楼 福住」(神奈川県箱根町)
今日ご紹介する温泉は、箱根湯本温泉の「萬翠楼 福住」さん。こちらに2023年秋に、2食付きで1泊したときのお話だ。
こちらのお宿は、創業は寛永2年(1625年)の老舗旅館。平成14年に現役旅館として初めて国の重要文化財建造物に指定された。明治初期建造の旧館「萬翠樓」と「金泉樓」は、伝統的な数奇屋風の日本建築と西洋の技法や意匠を融合した擬洋風建築。
こちらのお宿を利用した歴史上の人物や文人墨客には、昭憲皇太后、有栖川宮熾仁親王、木戸孝充、井上馨、伊藤博文、福沢諭吉などがいる。「萬翠楼」というお宿の名前は、木戸孝充公が付けたという。
外観
館内
玄関を入ると、レトロな洋風の空間が広がっていた。
客室(20号室)
私が宿泊したのは、明治棟(金泉楼)の20号室のお部屋。8畳が2間と広縁、という広いスペース。
温泉
こちらの温泉は、男女別で時間交代制だ。円形大浴場と月形大浴場と呼ばれていて、それぞれに内湯と露天風呂がある。
円形大浴場
月型大浴場
温泉分析書
泉質は、アルカリ性単純温泉。こちらのお宿では、箱根湯本でも希少な自噴式の源泉を単独管理していて、湧出量は少ないときでも毎分100リットルを超えるとのこと。無色透明、滑らかで柔らかく、優しい触感のお湯だった。
食事
夕食・朝食ともにお部屋出しだった。
夕食
品数が多く、ひとつひとつがとても手が込んでいる。旬の食材や高級な食材を使い、盛り付けもとても美しい。
朝食
身体に優しい和食。こちらもひとつひとつ手が込んでいた。
15号室の見学
チェックアウト直後に、お宿の方にお願いして、特別に、15号室の見学をさせていただいた。このお部屋は、歴史的文化的価値が特に高く、私が訪問した当時は、文化財保護の観点から宿泊不可とされていた。
1878年竣工。間取りは、10畳・8畳・6畳・6畳・広縁という広さ。江戸から明治期の絵師による豪華な48枚の天井画が見ものだ。伊藤博文、三条実美、有栖川宮熾仁親王、山県有朋、志賀直哉、田村俊子などが利用したという。
私の宿泊した20号室も十分美しかったが、こちらのお部屋の技巧を凝らした建築や装飾、文化財の美しさには、目を見張った。
さすがは、重要文化財。明治の政治家や文人墨客たちも愛した、これほど歴史的文化的に価値の高いお宿に、私のような一般人が普通に泊まれるとは驚きだ。宿泊料はやや高めではあったが、有名な高級リゾートホテルなどと比べると、ずいぶんリーズナブルだった。
極上の温泉と完成度の高い料理に加えて、歴史的価値の高い建物や文化財を、じっくりと堪能させていただいた。大変貴重な経験となった。
いいお湯でした。お世話になりました!
こちらのお宿の公式サイトはこちら。
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