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【グルメ】Sally Lunn’s(サリー・ランズ)の Bath Bunn(バース・バン)(イギリス・バース)

今週、イギリスはバース("Bath")市の名所について、2つの記事をアップした。

今日ご紹介するのは、そのバース市のご当地グルメ、その名も、 "Bath Bunn" (バース・バン)。訳すと「バースのパン」だ。

一般には、イギリスでお茶菓子に提供される、砂糖がまぶしてあるソフトな小型の丸いパンのことを指すようだ。

その生みの親は、ウィリアム・オリバーという医師だと伝えられている。同医師は、1760年代に、バースの地で温泉療養するリューマチ患者に、キャラウェイシードをたっぷり入れて砂糖をちりばめたバンを提供した。それが患者たちの間で人気になって、一般の人にも広まったそうだ。このことについては、名古屋の老舗パン店である「カメリヤ」さんのサイト(https://camelia.co.jp/magazine/book/282)が参考になった。

写真はカメリヤさんのサイトよりお借りしました

ところが、バース・バンの由来については、別の説もある。"Solange Luyon" という名前のフランス人女性が、1680年にフランスからこの地に移住し、フランスのブリオッシュ風のパンを焼いたことが始まりだというものだ。なお、彼女のフランス語の名前 "Solange Luyon" が、イギリス人にとって発音しにくかったことから、彼女のことを "Sally Lunn"(「サリー・ラン」)と呼ぶようになったとのこと。

前置きが長くなったが、この「サリー・ラン」さんのゆかりの元祖バース・バンを楽しめるティーハウスが、今回ご紹介するお店だ。店名は、その名も "Sally Lunn's" (サリー・ランズ)(意味は、サリー・ランの店)。正式名称は、"Sally Lunn's Historic Eating House"(サリー・ランズ・ヒストリック・イーティング・ハウス)という。

お店は、バース市内の細い小路に面している。

こちらがお店の全景。三角屋根がかわいい。

窓際には、カボチャなどが飾られていた。

店内に入ると・・・。何ともラブリーな内装!

奥に入ると、昔にタイムスリップしたかのような空間が広がっていた。

木でできた素朴なテーブルや椅子。何とも落ち着く風情だ。

幸いにも私はすぐに着席できたが、その後、観光客がひっきりなしにやってきて、あっという間に満席になった。こちらのお店は『地球の歩き方 イギリス』にも掲載されていたし、かなりの有名店のようだ。

こちらが、朝食とランチのメニュー。名物のバンを使ったメニューが並ぶ。

メニューは2023年時のもの

私がオーダーしたのは、"The Bath Cream Tea" (バースのクリームティー)。料金は、2023年当時で、税込み12.10ポンド。当時のレート(1ポンド188円)で日本円換算すると、約2,300円。

「クリームティー」とは、通常、スコーンと紅茶のセットのこと。クロテッドクリームというとても濃厚なクリームをスコーンに塗って食べることからクリームティーと呼ばれるようになったとか。

こちらのお店でのクリームティーには、スコーンではなく、バンが使われている。シナモンバターを塗ってトーストしたバンに、ストロベリージャムとクロテッドクリームが添えられている。これに紅茶がセットになっている。

こちらが、トーストされたバン。で、でかい!

バンは、ブリオッシュ風だ。香ばしくトーストされており、一面にシナモンバターがしっかりと塗られている。そこに、添えてあるジャムとクリームを付けながらいただく。

結構、こってりとしたお味で、カロリーも高そうだ。でもこれが、街歩きで疲れた体の五臓六腑に染みわたり、やたらと美味しいのだ。まさに、禁断の味。砂糖なしのミルクティーと、とても良く合う。

古風でラブリーな店内での、魅惑のクリームティー。異国の地を旅する緊張がほぐれ、ほっと一息ついた。そして、「ああ、イギリスに来たんだなあ」と、しみじみと旅情に浸った。こういう旅のひとときは、一期一会の思い出として、いつまでも心に残る。

クリームティーを堪能して、お店を出る前に、地下のミュージアムをのぞいてみた。いかにも年季の入った地下への階段が、好奇心をそそる。

地下は展示コーナーになっており、バンを焼くための作業場が再現されていた。大きな窯があり、たくさんの丸いバンがならんでいる。なんともリアルだ。

写っている女性は人形です

世界遺産の街・バース市にふさわしい、素敵なティーハウスで、美味しいクリームティーを堪能した。素晴らしいひとときだった。バース市を訪問される方におかれては、是非、ローマ浴場博物館やスパとセットで訪問してみてはいかがだろうか。

美味しかった。ごちそうさまでした!

こちらのお店の公式サイトはこちら。

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