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【温泉】姥子温泉「秀明館」(神奈川県箱根町)

今日ご紹介する温泉は、箱根温泉郷にある姥子温泉の温泉施設「秀明館」さん。

こちらの歴史は古く、遅くとも鎌倉時代にはその存在が知られていたという。金太郎こと坂田金時が、枯れ枝で傷つけてしまった目を治すために、乳母に連れられてこの湯に浸かったという伝説があるそうだ。

とある週末の朝、こちらに出かけた。小田原駅から路線バスに乗り込む。箱根の山道を延々と進み、いくつもの温泉エリアを経由していく。途中の大涌谷でたくさんの観光客が下車すると、乗客は一気に少なくなった。

バス停を降りたらすぐ、「秀明館」さんの入り口を示す看板があった。

道を進むこと数分、目の前に建物が見えてきた。

こちらが、玄関。

営業開始時間(10:00)の少し前だったので、玄関前で待つ。男性のひとり客が、既に並んでいた。

古い建物だが、きれいに手入れされている。

こちらは、姥子温泉についての展示エリア。

こちらは、現在、日帰り入浴のみの営業で、システムが独特だ。人数に応じて、湯床、洋間、または座敷を借りる。料金はひとりあたりの席料という形で支払う。時間は、2時間、4時間のほか、営業時間中、丸1日借り切ることもできる。その間、何度入浴してもオーケー。ただし、15時からは、入浴のみの受付となる。

私は、湯床を2時間借りることにした。席料2000円を支払って、入場。

(館内は写真撮影禁止なので、以下の館内写真はすべて、公式ウェブサイトよりお借りしました。)

館内に足を踏み入れると、和風の美しい空間が迎えてくれる。家具や小物、インテリアの使い方が抜群。全てにおいてセンスが良い。

館内についての説明を受け、湯床に案内された。

美しい和室。広い窓の外には縁側がついており、緑いっぱいのお庭を楽しめるようになっている。

室内には、浴衣、タオルのセット、お風呂にもって行ける手提げカゴ、お茶セット、ちゃぶ台と座布団のほかに、ビーズクッションがあった。ほぼ、以下のウェブサイトのイラストのとおりだった。

とても居心地の良い空間だ。何時間でも、いや、丸一日でも、引きこもっていられそうだ。

湯床で浴衣に着替えて、早速、お風呂に行ってみた。

浴場に足を踏み入れるや、神秘的な空間に、思わず息を飲んだ。

石造りのコンパクトな空間。正面の岩には、しめ縄が張られている。何という厳かな雰囲気だろう。

浴槽は、2つに分かれている。それぞれ、大きくはない。左は2名、右は3名も入れば、いっぱいになってしまう。

底には岩や細かい石が敷き詰められている。

緑豊かな山奥の、岩と石でできた不思議な空間。静寂に包まれ、身も心も洗われる。

ところで、こちらの温泉は、岩盤から自然湧出する新鮮なお湯が売りだが、湯枯れの時期には、敷地内源泉を動力揚湯したものになる。

この日のお湯はというと、あいにく、雨の少ないシーズンであったため、自然湧出ではなく、動力揚湯されたものだった。

ちなみに、公式ホームページに掲載されていた温泉分析表はこちら。

自然湧出のもの
動力揚湯のもの

単純温泉で、成分は濃くはない。pH値を見ると酸性だが、優しいお湯であるように感じられた。

2度お湯に浸かり、その前後で、湯床でゆっくりと身体を休めた。浴場も湯床も、あまりにも快適だった。

そして、客層も良かった。それなりに沢山のお客さんがいて、浴場でも何名かのご婦人とご一緒したが、それぞれマナー良く、皆さん静かにお湯を堪能していらっしゃった。

2時間は、あっという間に過ぎてしまった。もっと長居をしたいなと、後ろ髪を引かれる思いでチェックアウトした。

帰りのバスまで少し時間があり、敷地内の裏庭のような、お堂のあるエリアを散策してみることにした。

そこは、箱根の山の自然と一体化した、小さな祈りの場だった。神秘的な美しさに、ただただ、ため息。

わずか数時間で、身も心も、すっかり清められた。静けさを愛する大人がゆっくりと静養に来る、特別な場所だ。

次は、是非、自然湧出のお湯の時期に、4時間コースか1日コースで来てみたい。

素晴らしいひとときでした。お世話になりました!

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