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【温泉】北温泉「北温泉旅館」(栃木県那須町)

今日ご紹介するのは、栃木県は那須温泉郷のひとつ、北温泉の「北温泉旅館」さん。

ここは、温泉ファン、特に、レトロで鄙びた渋~い温泉を好む温泉マニアの間で、とても有名な温泉旅館だ。

その歴史は古く、宝亀年間(770年~)に、大天狗が、日光山より出羽の国へ行く途中発見したと言われているそうだ。

阿部寛主演の映画『テルマエ・ロマエ』で、上戸彩が演じたヒロインの実家の温泉旅館のロケ地のひとつでもある。

長らく行ってみたいと思っていたが、あまりに玄人っぽいし、メインの湯船は混浴なので、ひとりで行くのを躊躇していた。しかし、ついに、念願かなって、同行してくれる友人を見つけ、1泊で出かけた。

その結果、大興奮! 楽しすぎた!!

ひとことで言って、レトロな温泉のテーマパークであり、ワンダーランドだ。興奮して写真を撮りまくったので、以下、長くなるが、よろしければおつきあい願いたい。

宿へのアプローチ

まず、宿へのアプローチは、ちょっとしたウォーキングとなる。駐車場から、400メートルの山道を下ってアクセス。余笹川の源流近くの、奥深い谷間にある一軒宿なのだ。

こんな道を下る。

ようやく、お宿が見えてきた。

館内

この旅館の建物は、古い。最も古いものは江戸時代の安政5年(1858年)の建造だということだ。その後明治、昭和期に増改築を繰り返され、現在の形になっているとのこと。

館内のレトロな雰囲気が、まるで過去にタイムスリップしたかのような気分を味わわせてくれる。館内は迷路のようになっていて、ところどころに、思わぬ発見がある。まるで、探検だ。楽しすぎる!

ロビー

フロント、というか、帳場。
売店

館内探検

宿泊用の部屋

フロントから細い廊下や階段を経て、お部屋へと案内された。

廊下。この右側が松の間。奥が天狗の湯。

こちらが、私たちのお部屋。シンプルな6畳。もちろん、バス、トイレ、洗面台は共同。

炊事場

コロナ以降、こちらのお宿では、素泊まりのみを受け付けている。だから、宿泊客は、滞在中の食事は自分たちで用意しなければならない。宿泊客は、こちらの炊事場を自由に使うことができ、自炊ができるようになっている。

ひととおりの調理器具がそろっている。

洗面所

歯磨きなどはここで。

トイレ

共用トイレは洋式だった。ありがたい。

休憩室

宿泊者専用の休憩室。

お風呂

こちらの旅館には、たくさんのお風呂がある。日帰り入浴も受け付けているが、宿泊すると24時間自由に入れる。

天狗の湯

何といっても、こちらの旅館の一番の目玉は、大きな天狗のお面がインパクトのある「天狗の湯」。『テルマエ・ロマエ』にも登場した。

こちらは、混浴だ。湯浴み着やタオル巻きはNGなので、裸で入らなければならない。女性用に囲いのある脱衣コーナーはあるが、そこを出ると、丸見えである。

そして、このお湯は、毎日入れ替えられてる。日帰り客が帰った夕方の時間に、お湯の入れ替えをしているところを見学させてもらった。宿泊客は毎晩、新しいお湯を楽しめるというのが嬉しい。

こちらの天狗の湯。大人気なようで、大抵、誰か(男性)が入っていた。しかし、夜間や早朝に、人のいない時間を見計らって、バッと脱いで、入った! 

おお・・・。

何ともいえない、不思議な感覚。

3体の天狗に見下ろされながら入浴するのは、何だか落ち着かないが、神秘的なパワーをいただいているような気分になる。

お湯は、単純温泉で、源泉が高温のため、加水されている。無色透明で、少し熱め。とても気持ちが良かった。

家族風呂

母屋の外に、小さな建屋があり、家族風呂となっている。

家族風呂のすぐそばの祠。

河原の湯

次に、渓流沿いの「河原の湯」を訪れた。男女別なので、安心して入れる。

河原の湯までのアプローチが、また、渋い!

すぐそばに渓流があり、心地よい開放感。

男湯
女湯

芽の湯(女性専用)

そして、「芽の湯」という、女性専用のお風呂に行ってみた。混浴に抵抗がある女性のための配慮だろうか。

くねくねと、階段を上がっていく。

階段の途中に、観音様!

内湯だが窓が広く、眩しい緑が飛び込んでくる。木造の、味のある湯屋。浴槽は横に細長くて、ユニークな形をしている。男性に入っていただけないのは、何だか申し訳なくなる。

長い浴槽!

相の湯

玄関を出て左手には、鄙びた湯屋があり、男女別のお風呂「相の湯」がある。とても渋い。熱めのかけ流しのお湯で、単純温泉だが、少しだけ濁りがある。温度はやや集めで気持ちが良く、ゆっくり浸かっていられた。

渋い湯屋だ。
脱衣所
女湯
男湯
昔の温泉分析書?

温泉プール

「相の湯」のすぐ側に、なんと、広い温泉プールがある。これも、他のお宿にはない、この北旅館の売りだ。

しかし、この日は、お湯があまり入っておらず、湯守さんから、ストップがかかった。翌朝は大丈夫かも、というので、翌朝に期待する。

滑り台もある。
「満点の湯」と呼ばれていたようだ。

翌朝、リベンジ。入っても良いでしょうかと尋ねたところ、オーケーをいただいた! こちらは、水着着用OKだ。早速、いそいそと水着に着替え、入ってみる。

水位はまだ完全ではなく、私の太ももの付け根下程度までの深さしかなかった。床は、藻が張っているのか、ぬるぬるで、とにかく、滑る! 少し気持ち悪くて微妙ではあったが、この温泉プールというコンセプトが、とても楽しかった。

食事

先に述べたとおり、この旅館は、訪問当時、素泊まりのみを受け付けていた。そのため、食事は全て持ち込んだ。夕食は、お惣菜を買い込んで、炊事場の電子レンジを使わせていただいた。

夕食は、お惣菜のレンチン。
朝食は、パンと、飲むヨーグルト。

旅館の猫たち

この旅館には、「まる」ちゃんと「もも」ちゃんという猫ちゃんがいて、館内をうろうろしていて、神出鬼没。鄙びた旅館と猫たち。このコンビネーションは最高。

まるちゃん

まるちゃんとは、休憩室でご一緒した。人懐っこく、私たちにまとわりついてきたり、私たちのそばでくつろいだポーズを見せてくれたりした。か、かわいい! 

畳と同化している?
気持ちよさそう・・・。

ももちゃん

ももちゃんは、毛並みの美しい三毛猫さん。少しシャイであるのか、まるちゃんのように、私たちにまとわりついてはこなかった。

レトロな館内とマッチしすぎて、何とも絵になる・・・!

帳場の置物のよう・・・。
絵になる!
眼光鋭い!

いやはや、唯一無二の、温泉天国だった。江戸情緒あふれる雰囲気のなかで、素晴らしい湯治体験をさせていただいた。

このような貴重な施設が、今後も長く営業を続けていただけるよう、心から願っている。

素晴らしいお宿でした。お世話になりました!

「北温泉旅館」さんのウェブサイトはこちら。

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