日本(本土)最東端を制覇して(?)きたよ
シルバーウィークに、帯広すずらん献血ルームに「旅行献血」しにいってきた。その時に、ただ飛行機で北海道まで行って血を抜くだけで帰ってくるってのもどうなのかと思ったので、花咲線(根室本線の末端部を最近はこう呼ぶらしい)に乗って最果ての駅まで行って、最東端の納沙布岬を見てくることにした。
朝9時半頃に釧路空港に到着。
連絡バスで釧路駅までは40分ぐらいだったかな? 結構遠いね。
花咲線の旅は2時間以上と意外と長い。釧路から根室は道東のちょっとした移動だと思ってると結構な距離があるのだ。
というわけでまずはお昼ご飯を調達しよう。
これは地元の業者が駅で売ってるお弁当ではあるけど、駅弁マークは入っていない。KIOSKではなくて地元の特産品ブースみたいなところで売られていた。
花咲線の快速「ノサップ」に乗る。
列車は一両編成。三連休の中日でそこそこ混んでいて、座れないほどじゃないけど、景色がよく見える窓際の席は早々に埋まっていた。ワタシは出遅れたけど、まぁ厚岸あたりで席が空いて窓際に移れたからヨシ。
ここ、青春18きっぷシーズンに乗ると結構大変なことになりそうな気がする。
しばらくは釧路の郊外を走り、まわりに家々もあったが、そのうち海沿いに出る。
んで、厚岸を過ぎて少し行くと、アシが生い茂る湿原が現れる。
これは釧路湿原…ではなくて、別寒辺牛(べかんべうし)湿原というらしい。エゾシカやタンチョウが見られることもあるとか。
窓際の快適な席に移れたのでお昼ご飯タイム。
しそが巻いてある上段のが鯖、下段のがいわし。シンプルで美味かった!
湿原を通り過ぎても、こんな何にもない広大な北海道の原野?が広がっている。電線とか民家とか人工物が全然見えないのがすごい。
厚床からは車内販売が乗ってきた。多分、町おこしのために乗ってきた地元の商工会とか観光協会とかナントカ組合とかの人たちだと思う。
根室の景勝地「根室車石」を模したケーキ「車石ロール」が映えるのてつい買ってしまった。これを食べてしまったら車石に行かねばならなくなったぞ…。
2時間10分ほどで終点の根室駅に到着。
そういえば日本最東端の駅は1つ手前の東根室なんだけど、快速だからすっ飛ばされちゃった。全然意識しなかったな…。
降りた時に駅の写真を撮り忘れたので、夕方戻ってきてからの1枚。
駅前には黄色いポストがあってかわいい。
駅前のバスターミナルから、納沙布岬行きのバスに乗る。たしか駅から40〜50分かかったと思う。
ところどころ、港に面した集落もあったが、あたりに何もないエリアも多い。
納沙布岬につくと、ひときわ目立つ真っ白い灯台がお出迎え。
この灯台の上に上がれればさぞかし見晴らしが良いだろうと思うんだけど、残念ながら中には入れない。
まぁひたすら海ですね。
そして、岬の延長線上には陸地が見えた。
近くには何やらモニュメントがあって、お偉いさんたちが集会をしている。多分、北方領土ナントカ〜!みたいな集まりだと思うけと近寄らなかったのでよくわからない。
近くにある「根室市北方領土資料館」を覗いてみる。
お目当てはこれ!
ここでは「日本本土四極最東端出発・訪問・到達証明書」なるものがもらえるのだ。無料である。
これ、東西南北同じフォーマットのものがあるそうで、北は稚内(北海道)、南は大隈(鹿児島県)、西は佐世保(長崎県)でゲットできるそうだ。しかもこれ…
裏は4枚で1つの文書が出来上がるようになっているのだ!
これはフォーマットが変わってしまう前にぜひコンプリートせねばならぬ!
北方領土資料館で地図を見て、さっき海の向こうに見えた島は歯舞群島のどれかだろうということまではわかった。
ワタシ自身は、歴史とか国際政治とかのことは詳しくはわからないけど、「日本が戦争に負けた結果持っていかれた領土なら、仕方ないんとちゃうん?」と何となく思っている。
そりゃあ、故郷を追われた人たちは気の毒だとは思うよ。でも戦争ってのはそういうもんだよな…一方的に攻め込まれた戦争ならともかく、日本もいろいろやらかしたんでしょ。だから「北方領土は返してもらえて当然」とはあんまり思えないんだよな。知らんけど。
資料館で印象に残ったのは、色丹島にあったという神社の鳥居の模型。
これ、鯨の顎の骨を使った鳥居なんだってさ(ここにあるのはレプリカ)。
鯨が神聖な動物だったってことかな?
なんか土俗信仰と日本の神道が習合した独特の習俗って感じで面白いと思った。
バスで根室駅に戻ってから、タクシーで車石まで往復してもらった。
「放射状節理構造」の玄武岩だという。これ、直径6mもあるんだって。
奇岩好きとしてはぜひ見ておきたかったのだ。
周辺の岩場もなんか独特だ。
車石に繋がる遊歩道入口のトイレがそれらしい形だった。
駅に戻って、駅前スーパーでお土産を物色した後、早めの晩御飯を食べに行く。
ここで食べたのは根室のソウルフード「エスカロップ」。
バターライスの上にポークカツレツとサラダをのせて、デミグラスソースをかけたもの。バターライスには筍を刻んだものが入っている。
うまい!これぞ日本が生んだ洋食!
赤ワインが合いそうだけど、ここは清く正しいカフェなのでアルコールはない。食後のドリンクとしてホットオレンジをいただく。
オレンジジュースを温めて飲むんだそうな。寒いところならではの飲み方だよね。レモネードより酸味が穏やかで香りが良くてやさしいかも。
最終列車に間に合うように根室駅に戻ってきた…と言っても夜7時頃だけど。
列車が来た時にしかホームに入れないようになっている。駅寝対策かな?
帰りば普通列車で2時間40分かけて釧路に戻った。
夜の花咲線の車窓は「漆黒の闇」で、民家はおろか、街灯や車のライトさえも見えない時間がかなり続く。そういうところでは野生動物との遭遇も頻回で、突然けたたましい汽笛を鳴らして列車が急ブレーキをかけることが何度もあった。
そういえばこの数日後、夜の宗谷本線で列車が熊を車体の下に巻き込んで一晩立ち往生する…なんてアクシデントもあったっけね…なんというか、試される大地だわ…。
夜の9時半頃に釧路に戻ってきた。宿にチェックインした後「うまい晩御飯は食べたけど晩酌はしてないぞ」と思い立って、つぶ焼とビールで一杯やりに行った。
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