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ONE PIECEから学ぶ

3月2日から全国で休校になりましたね。皆さんも子供たちが毎日自宅にいる状態になっているかと思います。私も中学1年の息子が、期末試験が無くなり、毎日家にいるようになりました。

世の中的にはこの機会にオンライン授業を受けさせよう!という活動が一気に進み、学びの形が変化していくムーブメントになる予感がします。

ですが...
普段から進んで勉強することがない中学男子が、学校に行くことが無くなって家で進んでオンラインで学ぼう!となるわけもなく。毎日がゲーム三昧にならないようにするにはどうするか、と悩み多い状況です。

息子に、せっかく一か月も時間があるんだから、何か自分でやること考えてみたら~、とやんわりと言い続けていたところ、

「友達から "ONE PIECE" を10巻借りたから、これを読んで感想を書く!」

という事になりました。よしよし、とりあえず自分でやることを決めるところまでは行きました。

『ルフィの仲間力』を読んでみた

実は、私は ONE PIECE 世代ではないので、自分も読んだことがありません。息子が読むと言うので、なぜ ONE PIECE がこれほどまでに人気なのか、を確認すべく、『ルフィの仲間力』を読んでみました。

気付いたことは、ONE PIECEは現代の組織の在り方に非常に近い、ということ。そして、まさに学習する組織であるという事。

ビジョナリーパーソンと、そのリーダーを支え合うフォロワー。関係はフラットであり、お互いが他者を認め、個々の強みを活かし、弱みを埋め合う。

自ら旗を揚げるリーダーがいるという事。しかも、シンプルで分かりやすい旗であり、かつ、一人では到底達成できない夢であること。ONE PIECE の「麦わらの一味」は組織ではなく、「仲間」です。リーダーのビジョンに共感した仲間が集まって、大きな共有ビジョンに向かって活動する。これは、巨大化してしまった旧来の会社組織が失ってしまった価値観であると思います。

肩書で仕事をしていたのではないか?

私は大企業を退職し、独立して仕事を始めたばかり。前職ではリーダーとして中規模の組織をまとめていましたが、組織を「麦わらの一味」のような関係に出来ていたのだろうか?

組織のリーダーとして、ビジョンを掲げ、組織の成果を最大化し、部下が出来るだけ仕事がしやすいように、成長できるように考える、という事をやってきたつもりですが、

自分の弱さを見せること

は出来ていただろうか?

この本によれば、仲間と助け合うためには、「自分の弱さを仲間に見せる」「相手の弱さや短所を否定しない」「困ったときに素直に助けを求める」などの力が必要だとあります。

「おれは助けてもらわねェと生きていけねェ自信がある」 ルフィ

こんなシンプルな言葉を発することが出来るリーダーはどれだけいるでしょうか。自分を振り返ると、肩書がついたリーダーとして、弱みを見せてはいけないのではないかという意識が働き、部下との間に壁を作っていたのではないか、と感じます。

プロジェクトドリブンなこれからの働き方

独立してからは、基本は個人として活動していますが、プロジェクトごとに想いを共感する「仲間」と活動をしている感覚が強いです。会社として働いているわけではないので、組織で構成された仲間と仕事をしているわけではありません。自分が掲げたビジョンに共感してくれる人が一緒に活動をしてくれている、同様に他の人のビジョンに共感して、自ら協力して活動している、という感じ。

最近、Messangerである人から「卒業式をオンライン配信したい」という相談がありました。ちょうど、別のMessangerグループで実際に実現した人が内容をアップしていましたので、その方に直接連絡をして協力を相談しました。

そうしたら二つ返事でOKが返ってきたので、お二人を繋ぎ、さらにオンライン配信に詳しい知り合いを紹介しました。そこからの進展がスゴイ!

早速、Zoomでのオンラインミーティングで想いが共有され、そこから、それぞれが知見を出し合い、実現に向けた動きが始まりました。この時点で、卒業式までは残り5日。まだ、学校としての承認も得ていないし、機材もツールも揃っていない状況。

さらに協力者が増えて、zoomミーティングやMessengerでのやり取りを繰り返し、それぞれがやるべきことをやり、数々の障壁を乗り越えて前日を迎えました。

前日に実際に会場リハを行い、zoom→YouTube Liveで映像が配信されることを確認した時には、関係者の皆が「本当にこんな事が出来ちゃうんだ!」という熱気に包まれました。

当日は快晴。卒業式にふさわしい素晴らしい日でした。前日の盛り上がりのまま、朝から準備をし、無事にオンライン配信を実現しました。

ここで起きていたことは、まさに個々が強みを活かし、弱みを埋め合う事で「夢」を達成すること。フロー状態でもありました。

フロー状態とは、一つの活動に深く没入しているので、他の何ものも問題とならなくなる状態、その経験それ自体が非常に楽しいので、純粋にそれをするということのために多くの時間や労力を費やすような状態。心理学者のミハイ・チクセントミハイ博士により提唱された理論。

これからの社会ではこういう働き方が増えていくだろうと思います。

さて、息子の取り組みはどうなるか?

ONE PIECEから何を感じ取ってくれるのか?
新型コロナウイルスが沈静化するころに、息子が何を掴んでいるのかが楽しみです。


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