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オンライン・レディな学校

1月から4週にわたって「オンライン・レディな学校作り」という事例共有会をZOOMで開催しました。

イベントの発端は、昨年の緊急事態宣言下での全国一斉休校を受けて4週連続開催した「オンラインを活用した授業を実践者から学ぶ」のスピーカーの皆さんに、緊急事態宣言が発出された翌日に「また共有会をやりませんか?」と投げかけたことでした。

すると、すぐに数人の先生から「協力します」というお返事をいただきました。また、今回は難しいという方からも「応援しています」「楽しみにしています」という温かいお返事がありました。

早くからオンラインに取り組んでみよう!と動きて来た先生方は、やはり行動力がありますね。本当に感謝しかありません。

今回の緊急事態宣言では、政府からの休校指示はありませんでした。多くの学校は感染予防をしながら平常時の運営をしていました。ですが、緊急事態宣言が出た時点では東京では感染者が急増し、いつ状況が変化するかわからない状態でした。

いつクラスタが発生して休校せざるを得なくなるかわからない

感染者が爆発して政府から休校指示が出るかもしれない

こんなリスクがある状況にも関わらず、公立の小中学校ではオンライン対応が出来ている学校が少ないのではないかと思っていました。

子どもたちが登校できている間に、発生するかもしれないリスクに対応しておく必要があるはず。学校は「オンライン・レディ」な状態を作っておかなければ、と思い、「オンライン・レディな学校作り」というテーマを設定しました。

イベントは1/18に第1回を開催し、4週連続で毎回2校の取り組みを共有していただきました。

豪華な講師陣!

講師陣クロップ

公立小学校2校、国立附属小学校1校、私立小学校3校、公立中学校1校、私立中高一貫校1校とバラエティに富んだ学校の実践に延べ270名の方が参加し、毎回時間いっぱいの質疑応答が行われました。

参加者の7割以上が教職員。学校現場での関心の高さを感じました。

参加者の皆さんには、それぞれ関わる学校のオンライン対応状況を答えていただきました。

オンライン対応結果グラフ

私の予想に反し、最も多かったのは「双方向のオンライン授業ができる」という回答でした。一方、1/4は「オンライン対応は全くできていない」という回答でした。

「全く対応できていない」と答えている方は、ほとんどが公立の小中学校でした。「双方向のオンライン授業ができる」と答えている方は、私立、公立が半々という感じです。

「オンライン・レディ」という言葉に反応した方々の結果であり、これが全国の学校の状況を表しているわけではありませんが、昨年の緊急事態宣言後、GIGAスクール構想の加速もあって「オンライン・レディ」な状態には近づいているということがわかります。

一方で未だに全く対応できていない学校が多いという事もわかります。初回に事例共有をしていただいた蓑手先生は、「オンラインでオンラインを教えることはすごく難しい」と実感を持ってお話してくれました。まさに、今、子どもたちが登校している環境の時こそ「オンライン・レディ」への対応が必要なんです。

各実践を聞きながら、どの取り組みでも強く感じたことはこの3つです。

(1)ICT活用の前に、本質的な学びの在り方を問い直している

(2)ICT対応へのチャレンジを教員自らが楽しみ、学び合っている

(3)オンライン活用を緊急時のものと捉えず、普段の学びから意識している

ICT活用は手段に過ぎません。子どもたちが登校できない状況でも、如何にして学びの姿勢を継続するか。さらに、普段の学びにおいて同期(対面授業やZOOMなどによる双方向授業)と非同期(動画配信やプラットフォームを使ったコミュニケーション)を組み合わせて、子どもたちの学びへの意欲を増幅できないか、という事へのチャレンジがたくさんありました。

そして、学びの主体は必ず子どもたちであり、子どもたちを信じて委ねている点も共通していたと思います。

また、実践者の先生方は、皆さん、チャレンジを楽しんでいたのが印象的でした。とにかく「やってみよう」から始めて、失敗から学び、実践をどんどん進化させています。教員のこういう姿勢は、子どもたちにも必ずプラスの影響があるはずだと思います。

参加者アンケートの感想から:

「先生方の考え方にとても感銘をうけました。確かに、ついこれはダメ、今まではこうだったからダメだという考えが取れない大人のせいで子供の可能性を止めないように考えていければと思いました。ありがとうございました。」

「私の勤める学校でもオンライン授業に非対応であったりと、オンラインについて課題があるという認識でしたが、今回お話を聞いてこんなに様々な場面でオンライン化をできるものなのかと感じました。特にオンラインだと忙しい保護者さんも学校に参加しやすい点が良いと思いました。まずは普段対面できる状況でいかにオンラインを活用する経験を積むかが、いざという時に対応できるかを決めると学べました。お話ありがとうございました。」

「お話ありがとうございました。参加して一番良かった点は、オンラインを用いるメリットを、対生徒だけでなく保護者との関係作りや教員同士の価値観共有の点で知ることができたことです。私自身はオンラインを活用できなかった一年でしたが、今後コロナ禍が去った後にも、オンライン化したらこんなことができるから使ってみようと思えました。また具体的な事例を知れたことで、他の先生へ提案する時にも役立つ内容だったと思います。」

おまけ:

話題のclubhouseを使い「オンライン・レディな学校作り」放課後トークを行いました。4回の事例共有会で登壇していただいた先生方が7名参加して、運営側2名と共に、さらに深い対話を行いました。

放課後のざっくばらんな、ゆるーい感じのトークをするはずが、深く濃い教育議論になりました。

clubhouseに初チャレンジの先生方もいて、やはり行動する先生方は学びに貪欲だなと感じた夜でした。




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