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実話怪談「死神が迷うわけないだろうというのはどうやら間違い」

副師長とは別の知人の看護師から聞いた体験談です。
仮にBさんと呼ぶことにします。

Bさんが緩和ケア病棟に
勤務していた時のことです。

昼でも夜でも時間に関わりなく
患者さんのベッドの上に
白い丸い雲のような球が現れると、

そこに寝ている患者さんが
危篤状態になる。

ということを何度も
体験されたそうです。

*画像はイメージです


白い球は患者さんが亡くなるまで
その方が寝ている
ベッドの上に見えていたそうです。

それを見てB子さんは
死神というか
あの世からの使者というか
お迎えが来ているんだなぁ
と、思っていた
とおっしゃっていました。


人の命は重いものです。
でも病院では
人が命を終えることは
珍しいことではありません。

患者さんの最後の瞬間に
立ち会うことが
日常的だったB子さん

ベッドの上に現れると
患者さんが危篤状態になる白い球は
なんだか不思議だけど
それが現れても
怖いとは感じませんでした。

なにしろその状況になると
めちゃめちゃ忙しくなります。
怖さを感じる余裕なんか
なかったのです。


お迎えの白い球は

患者さんの上に現れても
ずっと同じ患者さんの上に
留まっているとは
かぎりませんでした。

時には迷っているかのように
また正解を探すかのように

別の患者さんのベッドに
白い球があちこちに
移動することがあったそうです。

そのような時は
心電図のアラームがあっちでピー、
こっちでピーと忙しく、

看護師達は病棟内をあちこちに
走り回らなければ
ならなかったとのことでした。

白い球が移動するのを見て、
死神も迷うんだなぁ
と、思ったそうです。

死神とかお迎えといった
超自然の存在はなんでもお見通しで
狙いを定めて来るのかと
思っていましたが、

B子さんがおっしゃるように
死神も迷うなら
お迎えが来ても簡単に諦めない方が
いいかもしれません。

同じ病棟スタッフでも
危篤患者のベッドの上に
白い球を見ていたのは
B子さんだけだったそうです。

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