わたしのおとうさんのりゅう 〔第3回〕
エルマーのぼうけん3
確認しておきますね。
著者はルース・スタイルス・ガネット(1923-まだ生きている)。さしえ画家はルース・クリスマン・ガネット(1896-1979)。
ルース・スタイルスが5歳のときに、その父のガネットさんが妻と離婚して家を出て行きました。数年後、彼はルース・クリスマンという女性と出会います。彼女はすでに名のあるさしえ画家で、絵本を何冊も描いていました。
「きみの名は」とガネット父はその女性に言いました。「ぼくの娘の名と同じだね」
それがきっかけで2人の間に親密さが生まれ、やがて恋になり(ここまで妄想)、父は再婚し、娘ルースは、継母ルースのいる父の家と母の家を行き来するようになったわけです。
「私は運のいい子どもだった。父が再婚したおかげで、私を愛してくれるおとながまた一人ふえたのだから」
87歳のとき、そうインタビューに答えた著者ルースが、22歳で、スキー場のロッジでアルバイト中に「One cold rainy day when my father was a little boy」と書き始めたとき、そして父と継母ルースの住む家で書き終えたとき、著者ルースは、このお話を「わたしのおとうさん」に向けて語っていたのではないかという気がしてならないのです。
それではなぜ2冊目からMy father じゃなくてElmarにしたのか。著者本人もインタビューでその疑問に答えていません。
「気がつかなかった、人に指摘されるまでは」と著者のルース・スタイルス・ガネットは言いました。
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