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『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』刊行記念! 深堀骨選書フェア開催中🦵

ノーブレーキで突っ走る文体に乱れ飛ぶ人間兵器、「桃太郎」を大胆に再構築した冒険活劇。世間をざわつかせる『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』の刊行を記念して、著者の深堀骨さんがとっておきの面白い本を選んだフェアを書店様店頭にて開催中です。その名も「奇想天外! 摩訶不思議! 魅惑のFUKA-HOLIC WORLD」! ※「深堀」の読みは「フカボリ」です
深堀さんがこのフェアのために選んだ12点の傑作を、ご本人ご執筆のアツいおすすめコメントとともにご紹介いたします。


深堀骨さんの選書フェア「奇想天外! 摩訶不思議! 魅惑のフカホリックワールド ※「深堀」の読みは「フカボリ」です」フェアのパネル。深堀さんの著書である小説『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』の書影と、「鬼才・深堀骨20年ぶり最新刊・初長篇『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』刊行記念フェア」の文字

奇想天外! 摩訶不思議! 
魅惑のFUKA-HOLIC WORLD
※「深堀」の読みは「フカボリ」です 選書フェア


★泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』(創元推理文庫)

泡坂妻夫『亜愛一郎の狼狽』書影

泡坂妻夫は最も好きなミステリ作家であり、中でも好きなのが亜愛一郎シリーズなのである。好みから言えば俺のベスト短篇である「藁の猫」を収録した第二短篇集『~の転倒』が好みだが、ここは順当に第一短篇集を挙げる。第三短篇集『~の逃亡』まで、必読である。


★平成カリキュラマシーン研究会編
カリキュラマシーン大解剖』(彩流社)

平成カリキュラマシーン研究会編『カリキュラマシーン大解剖』書影

ガキの頃に夢中になった狂った子供向けテレビ番組『カリキュラマシーン』。この本はあの番組がいかにして作られていたかを明かすファン必読の書なのである。浦沢義雄脚本の「東映不思議コメディシリーズ」のファンも必読の書なのである。


★橋本治『完本チャンバラ時代劇講座1』(河出文庫)

橋本治『完本チャンバラ時代劇講座1・2』書影

初めて読んだ橋本治は『桃尻娘』ではなくてこの本なのである。この大著を一日で一気に読み終えた。それくらい面白い。時代劇のみならず日本の文化を熱く語り倒す、これぞ名著中の名著。そして間違いなく俺の人格を形成した本である。


★ドナルド・E・ウェストレイク/矢口誠訳
さらば、シェヘラザード』(国書刊行会)

ドナルド・E・ウェストレイク/矢口誠訳『さらば、シェヘラザード』書影

『猫の舌に釘をうて』についての項でも書いたように、俺は小説に一番大切なのは遊戯性だと信じている。その点、この本は正に俺の理想の小説と言っても過言ではない。これが訳されたことを小説好きは歓喜すべき。ウェストレイクの最高傑作はこれだ。


★木皿泉『すいか1』(河出文庫/2のみ、山田あかねと共著)

木皿泉『すいか1・2』書影

俺が大好きなテレビドラマは『あまちゃん』と『すいか』である。前者の脚本が現在品切れのため、当然後者をお薦めすることとなる。小林聡美や小泉今日子、浅丘ルリ子の顔を思い浮かべながら読んでほしい。俺はこのドラマで市川実日子の素晴らしさを知った。『あまちゃん』で能年玲奈の素晴らしさを知るのは、また別のお話。


★フラン・オブライエン/大澤正佳訳『第三の警官』(白水Uブックス)

フラン・オブライエン/大澤正佳訳『第三の警官』書影

世界の幻想文学の解説書を読むと必ずと言っていいほどこの本が紹介されていた。読みたくて堪らなかったが、その頃は書店では見つからなかった。図書館で見つけて読んだ時の笑いと衝撃は今も忘れない。今の読書家はこの本を手軽に読めて幸せと言わねばなるまい。


★イーヴリン・ウォー/富山太佳夫訳『大転落』(岩波文庫)

イーヴリン・ウォー/富山太佳夫訳『大転落』書影

英国コミックノヴェルと呼ばれるジャンルの小説も好んで読んでおり、中でも好きな作家がイーヴリン・ウォーである。この小説を楽しめるか楽しめないかが、何かの分かれ目なのだと思う。一種の試金石と言える。無論、俺はこの小説が大好きである。


★千街晶之編・著『21世紀本格ミステリ映像大全』(原書房)

千街晶之編・著『21世紀本格ミステリ映像大全』書影

「本格ミステリ」に特化した映画・テレビドラマそしてバラエティまで紹介する、他に類を見ない優れたガイドブック。映画ばかり見てテレビを馬鹿にして見ない輩などはハナから相手にしていない。その姿勢が非常に好もしいのである。


★都筑道夫『猫の舌に釘をうて』(徳間文庫)

都筑道夫『猫の舌に釘をうて』書影

ミステリに限らず、小説に最も必要な要素は遊戯性なのである。本という形式を使ってどれだけ遊べるか、それが小説の神髄だと俺は信じている。それを教えてくれたのが本書であり、本書の著者である都筑道夫先生に認められて活字デビューした俺は幸せ者である。


★岸本佐知子『ねにもつタイプ』(ちくま文庫)

岸本佐知子『ねにもつタイプ』書影

大恩人である岸本佐知子さんの、言わずと知れたユーモアスケッチ。エッセイとか小説というジャンルを軽々と超越している。読み返してヒヤッとしたのが「桃太郎パロディ」を既に書かれていたこと。でもこれは文庫版のボーナストラックなのだった。単行本で読んだ俺は決して真似してはいない。


★日影丈吉『日影丈吉傑作館』(河出文庫)

日影丈吉『日影丈吉傑作館』書影

俺がこの世で最も愛する短篇小説家が日影丈吉である。久生十蘭ほど気障でなく、中井英夫ほど耽美でない、その匙加減が読んでいて心地良い。本書は「傑作館」の名に恥じず、衆目一致して名作と言われている「吉備津の釜」から、俺の日影短篇ベストである「泥汽車」まで、正に粒揃いである。


★川合大祐『リバー・ワールド』(書肆侃侃房)

川合大祐『リバー・ワールド』書影

俺は散文ばかり読んでいて、詩歌の類を全く読んでいなかった。そんな俺が最近になって虜になったのが、川合大祐の川柳である。日常的な言葉(多数の固有名詞を含む)を自由自在に組み合わせた言語遊戯は、俺の理想とする「文学」である。

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深堀骨『腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)』書影。帯には「ハイコンテクスト・ハイファンタジー・ハイテンション!干からびた女の腿から生まれた腿太郎は仲間と共に〈鬼ヶアイランド〉へ向かう……。あの深堀骨20年ぶりの大復活、待望の傑作(初❤︎)長篇!!」のキャッチコピーと、岸本佐知子さんによる「絶対に、絶対に、絶対に×無限大……翻訳不能!色んな意味で!」という推薦文

腿太郎伝説(人呼んで、腿伝)

深堀骨 著

あらすじ
昔昔のワンス・アポン・ア・タイム、と云っても然程昔ではない程度に昔、あるコミュニティにGさんとBURさんが棲んでいた。
ある日、Gさんが山へシバきに(その実はシバかれに)いってる間に川へ選択にいったBURさんは、若い女の腿を拾う。腿を切ると、中から異様に大きな逸物を持つ赤子が生まれた。二人は腿から生まれた赤子を「腿太郎」と名付けて育てる。
成長し、コミュニティ内の風呂屋〈湯気湯〉の三助となった腿太郎は、自らの出生の謎を解くため、犬(名前は「猫」)、猿(コスプレ)、キジ(丼)、それ以外の愉快な(?)仲間たちと共に〈鬼ヶアイランド〉を目指す……

四六判並製288ページ 本体価格1900円+税
ISBN:978-4-86528-360-0
全国書店にて大好評発売中!!!


*フェアご開催希望の書店様がございましたら、お気軽にinfo@sayusha.comまたはTEL 03-5786-6030までご連絡くださいませ!

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