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男の愛/町田康

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「海道一の親分」として明治初期に名をはせた侠客、清水次郎長。その養子であった禅僧・天田愚庵による名作『東海遊侠伝』が、町田版痛快コメディ(ときどきBL)として、現代に蘇る!! 月…
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#次郎長

次郎長、危機一髪/町田康

 次郞長は槍一条を携え、興津川にかかる橋の南詰にいた。対岸に篝火が燃え、川面が紅く染まっ…

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死んでもやりたい大博奕/町田康

 弘化二年三月。殺したと思っていた佐平が生きていた。ならいっぺん清水へ帰ろうかな。そうだ…

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1年前
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​驚くべき人との出会い・治助の情愛/町田康

 遠州榛原郡川崎村に借金の取り立てに出掛け、行き違いから漁師たちに袋叩きに遭い、死にかけ…

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1年前
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​御宥免/町田康

 漁夫が持っていた櫂を担いで逃げたところ、土地の漁師十数名に追いかけられ、一旦は逃げたが…

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男の生き方・男の道/町田康

 武蘇新に頼まれて馬定の星を取り立てに川崎まで行ったのが、弘化元年の暮、そこで馬定と言い…

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1年前
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​川崎の馬定/町田康

 弘化元年の暮、次郞長は遠州の森の五郎親分の賭場に遊びに行った。森の五郎はいい人で、やく…

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1年前
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岩村の七蔵襲撃事件の真相/町田康

 山の中、谷間の小さな村。あたりは既に薄暗い。そんななか、渓川のほとり、後に杉木立を背負った一軒の前に四人の男。しきりになかの様子を窺っている。だが、ひっそりとして人の気配がない。「じゃあ、俺たち、裏をみてこよう」と目配せして、大熊と六太郎が裏の様子を探りに行く。すぐに戻ってきて、「やっぱり、ひっそりしていやがる。ただなかに人の気配はした。七蔵がなかに居やがることは間違《まちげ》ぇねぇ」と言う。 「じゃ、斬り込むか」 「おおそうしよう。嫌な仕事はさっさと済ましちまおう。だけど

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​岩村の七蔵/町田康

 天保十三年九月。次郞長が寺津の賭場を見回っていると、 「清水」  と後から声を掛けてくる…

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1年前
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陰茎の揺れ/町田康

 天保十三年六月。堀切の富豪、何左衛門の借金を取りに行き、「治助に返した」と言って居丈高…

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男稼業も最終的には銭金の問題/町田康

 天保十三年六月。昔、清水で面倒を見た今天狗、寺津治助方に腰を落ち着けた次郎長はあっちの…

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