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バックナンバー▶https://note.com/sayusha/m/mb61e1acbd714 興津川の北岸、名代の大親分、…
次郞長は槍一条を携え、興津川にかかる橋の南詰にいた。対岸に篝火が燃え、川面が紅く染まっ…
弘化二年三月。殺したと思っていた佐平が生きていた。ならいっぺん清水へ帰ろうかな。そうだ…
遠州榛原郡川崎村に借金の取り立てに出掛け、行き違いから漁師たちに袋叩きに遭い、死にかけ…
漁夫が持っていた櫂を担いで逃げたところ、土地の漁師十数名に追いかけられ、一旦は逃げたが…
武蘇新に頼まれて馬定の星を取り立てに川崎まで行ったのが、弘化元年の暮、そこで馬定と言い…
弘化元年の暮、次郞長は遠州の森の五郎親分の賭場に遊びに行った。森の五郎はいい人で、やくざ社会に人望はあったが四囲を山梨の巳之助、都田の源八《げんぱ》、相楽の富五郎といった有力な親分に囲まれて勢力を伸ばせないでいる弱小の親分であった。 だけど森というところは太田川の畔、火伏せの神「秋葉山」へ通じる宿場町で、なかなかに賑わっている。だから賭場も立派なものだ。黒光りするような立派な家に、金持の旦那が駕籠で乗りつけてくる。大勢の若い者が出てキビキビ働いている。 「うーん。いつ来て
山の中、谷間の小さな村。あたりは既に薄暗い。そんななか、渓川のほとり、後に杉木立を背負…
天保十三年九月。次郞長が寺津の賭場を見回っていると、 「清水」 と後から声を掛けてくる…
居丈高に上から言っても駄目、衆を恃んで銃で脅しても駄目、下手に出て土下座しても駄目。 …
天保十三年六月。堀切の富豪、何左衛門の借金を取りに行き、「治助に返した」と言って居丈高…
天保十三年六月。昔、清水で面倒を見た今天狗、寺津治助方に腰を落ち着けた次郎長はあっちの…