#7「推薦図書」(キャリコンサロン編集部)
はい。金曜日がやってきました。と思ったら土曜日になってしまいました。今週のお題は「推薦図書」めちゃくちゃ悩みます。一応国語科教員だし、キャリコンだし、なんかカッコいい本紹介しなきゃダメかなあ・・と勝手にハードル上げましたが、そんなハードル飛び越えられるわけもなく・・というわけで。今、私の大切な親友に贈りたい1冊をご紹介します。
腹心の友
私には中学からずーーっと、もう40年ほどの付き合いの友人がいます。通学電車の中では試験勉強をしたり、恋バナしたり、居眠りしたり・・大学も学部は違えど同じキャンパス。そして、私の結婚式の一週間後に彼女も結婚。子どもも上の子は同じ年。たっちゃんという元気な男の子、うちは女の子ですが、子育ても同じ悩みを共有しながら年を重ねてきました。
たっちゃんの入院
一昨年の10月末、たっちゃんが入院した、という一報を受けました。たっちゃんは大学で街づくりについて学んでいて、住宅リフォーム会社に転職したばかりでした。頑張りすぎたのか、腰痛を訴えている、という話は聞いていたのですが、入院?とちょっと嫌な予感がしました。
予感的中・・
一週間後、やっぱり、予感は的中してしまった・・たっちゃんは希少性の癌に侵されていました。発見されたときはすでにリンパにも転移していて、勝率はかなり低いものでした。でも、つらい手術や抗がん剤治療にも耐え、命の灯を懸命に輝かせ続けました。そして、今年3月18日天に召されました。享年27歳。若すぎる。早すぎる。安らかに眠るたっちゃんは今にも起きだしそうな様子でした。母である彼女はたっちゃんに寄り添い長い間涙を流し続け、私は何も言えずにただただ、そばにいるだけでした。どんな言葉を尽くしても彼女には届かない気がして何も言えない自分が情けなく。。
彼女に贈る一冊
あれから3か月。連絡すれば「元気だよ。」と普通を装っているけれどきっと彼女の悲しみはこの先も癒えることはないのでしょう。でも、元気になってほしい。たっちゃんは元気なあなたを望んでいる。そう思って、この一冊を贈ります。
「ある朝、なかよしのことりが死んでしまって・・・。物語はちょっとショッキングな出来事で始まります。くまは泣きながら木箱を作り、花をしきつめ、ことりをそっといれます。
大事なものを失くしてしまう、という感覚は、誰の身にも起こりうる事だけど、その心の痛みを代わってあげるということは決してできません。例え、それが小さな心の持ち主であろうと。
くまが箱の中のことりを見せる度に、周りの動物達はとまどう。そして忘れて乗り越えるように諭します。このやりとりには、心を締め付けられるようです。
でも、ここで話は終わりません。ある日、くまは外がいいお天気なのに気がつくのです!そして、小さいけれど大切な出会いをしていくのです。心の再生に合わせるかのように、景色にも色がついていき・・・。テーマは大きくても、子ども達に向けて優しく描かれている「死」についてのお話です。
酒井駒子さんの心のこもった絵と合わさると、読み終えた後、音楽を聴き終わった様な、静かな感動を覚えます。絵本を通して、「時間と音楽」が、こんなに尊くて素晴らしいものだと気がつかせてくれます。こんな体験はなかなか出来ないと思います。湯本香樹実さんと酒井駒子さんの夢のコラボレーションです。」
「絵本ナビ」より引用
たっちゃんのご冥福をお祈りいたします。
推薦図書なのに、重い話になってしまってすみません。薄い一冊です。みなさんも是非手にとってみてくださいね。
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