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わたしのかけらを探しに

1月。4年半ぶりに日本へ帰国した。

故郷へ帰省するためと
子どもたちが私の母校へ体験入学するために。

田舎の小さな学校なので
受け入れの前例がないとのこと。
ただ、娘が小学校最後のチャンスだったので
数ヶ月やりとりし受け入れていただけることに。

娘は小1ぶり6年生
息子は日本ではじめての2年生。
二人は自己紹介を練習し合うほどドキドキしていた。

当日、校長・教頭先生をはじめ
担任の先生やクラスメイトたちが
学校をあげて歓迎してくださった。

あたたかく迎えてもらい
どんどん馴染んでいく子どもたち。

まるで、母校が「おかえり」と
包みこんでくれているようだった。

母校は創立40周年で私は2期生。
今の保護者の中には同級生も多い。

登下校の道や校舎を歩いていると
変わらない景色やにおいが懐かしい。

体育館で校歌斉唱があった。
私を小1で担任してくださった
ヒゲもじゃ先生が作詞した校歌だ。


私は小1のときに父を亡くした。

あの頃、言葉にならない感情のなか
ひっこみ思案で自分を出せなかった私が
毎日学校へ行くことを続けられたのは

きっと私の知らないところで
たくさんの支えがあったから。

今、大人になってようやくわかる。

私たち家族と先生や友だちのつながり。
人の存在のやわらかさや温度。
裸足で駆ける自然豊かな土地のおおらかさ。

そんなことを肌で感じながら
「わたしはここにいていいんだ」と
心の根はゆっくり育まれていったのだろう。


「もっとずっとここにいたい!」
4日を過ごし、別れが名残惜しい子どもたち。
先生方やクラスメイトへ一緒に感謝を伝えた。

ありがたくて涙で胸がいっぱいになった。

子どもたちが受け入れられている姿に
あの頃の小さかった私が重なる。

バラバラに散らばったうれしさもかなしさも
途方に暮れるほどの抱えきれない想いも
まるごとをここで受け入れてもらったのだ。

階段の踊り場にあるステンドグラス。
陽の光に照らされると表情が変わり
いつもうっとり見つめていたっけ。

わたしの原点のかけら
いびつな一つひとつを並べ合わせ
陽の光に照らされるような再訪だった。

小さなわたしと見つめられて、よかった。

ただいま、ありがとう。


望月さゆりです。

バリ島在住。
「わたしの人生にYESを」をモットーに

オンラインでの性教育講座や
個人セッションなどをしています。

つながっていただけると嬉しいです。

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