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[re:view]NCT - The 4th Album'Golden Age'
まず、このKPOPのこの世代にここまで全員が歌えるチームは本当になくて(それ以降はまだしも同年代も)そのメンバー20人のアイデンティティが最大限に活かされているアルバムだった。
NCTの『ポジション』
多くのKPOPアイドルグループのメンバーは「ボーカル」「ダンス」「ラップ」「ビジュアル」というポジション分けがされている。もちろん全員が一定の水準を満たしていた上で、'特に'という視点で振り分けられているのは承知ではある。
が、NCTの場合は「ビジュアル」「ダンス」はベースにあって、「ボーカル」か「ラップ」かという2択しかないと思う。これだけ歌が歌えない人が業界に増えている中で、一生歌が上手いアイドルを輩出し続けるSMの育成システムには脱帽するが。
その「ボーカル」か「ラップ」かのどちらかに振り分けられた上で、確実に歌を歌う高い能力がないと歌えない・消化できない曲しか本アルバムにはなかった。大衆にカバーさせる気がほとんどなくて好感を覚えた。
しかも徹底的に、声質・ボーカルスタイル・発音の仕方を分析しまくってメンバーそれぞれに似合う音楽をわかっていることが窺えるし、あえてそれを外してくる楽しみ方をしているSMって変態だなと思った。
ボーカル・ラップのキャラクター分け
特に今回各3グループ内での立ち位置と、Uになった時の立ち位置が変わったメンバーをあげてみようと思う。
〈ユウタ〉は今までイリチルではサブボーカル的な役割が多くて、ブリッジとかサビ前とかのフックになる部分が多い印象だった。今回はテイルが怪我で参加できていないこともあり、かなり「ボーカル」に振り切ったパート割になっていた。例えば、『The BAT』でジョンウが'緩'ならユウタが'急'でポイントを作っていたし、『Alley Pop』ではラップメンバーがほとんどの中でボーカルを担っていてストレートな歌声が際立っていた。(ラップメンバーが歌うと甘くなりがちだけど、ユウタはストレートで鋭い歌声が特徴)
〈チソン〉は普段はドリムでラップがほとんどだが、かなり歌っていて今回メンバー1キャラクターが全面に出ていたと思う。ヘチャンがチソンについて、度々チソンほど低音を出せる人がいない、と口にしているがその特徴が思い切り生かされていた。例えば、『Kangaroo』の導入が夜明けのような深海のような穏やかさがあるチソンで、1バース目の歌い出しがテイルの張りのある水水しい歌声で、2人のコントラストが印象的だった。NCT全体になるとやっぱりラップといえば、テヨン・マーク・ヤンヤンになってしまう分、チソンが「ボーカル」に振り切ることができていて新鮮だった。
〈シャオジュン〉は威神やソロで度々ハイトーンや優しい歌声が活かされるバラードの印象がどうしてもあるが、今回『PADO』でR&Bのグルーヴやテクニックに振り切ったボーカルスタイルが特徴立っていた。この『PADO』が本当に変態曲すぎて(激褒めている)、メンバーもかなりRnBに振り切った選抜だったと思う。シンプルに歌が上手い!というメンバーではなく、リズムや声質にRnBが似合うメンバーが選ばれている中でのシャオジュンだったので、こういう変態曲もいけるんだという新しいキャラクターが見つけられた。
他にも全員新しい・見たことない一面があったけど、特にこの3人が印象的で、デビューからもう7〜8年経つメンバーもいるのにまだ目新しく魅せてくれるから本当にNCTを誇りに思った。
R&BとHIPHOP
SMの中でも特にR&BとHIPHOPの楽曲の印象があるNCT。今まで出してきた1st、2nd、3rdの収録曲にもかなりその色は濃く表れていたが、今回の4thでかなり舵を切ったと思う。
例えるなら、前までは日本人の口に合うようにカレーを甘口にしていたけど、今回は本場のスパイスをそのまま使用した現地の味って感じ。もう大衆に目もくれず、ただ彼らのネオと本気の音楽をブレイクダウンさせることなくそのまま出してきた姿勢を受け取った。(XGにも同じ姿勢を感じる)
他のKPOPアイドルには真似ができない、消化することができないこれだけの楽曲とコンセプトを引っ提げて約1年ぶりにカムバックしたNCT。ひたむきに音楽に向き合い続けるその姿勢のまま、この混沌としたKPOP時代から外れていってほしい。
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