見出し画像

拘置所に行った話

拘置所に行った。サブゼミでやっている支援活動で、冤罪かもしれない方と面会をした。

8時半 拘置所に着き、面会する方の名前や面会理由、自分の名前、住所などを用紙に記入し隣の待合所のような所で呼び出されるのを待つ。少し病院みたいだった。当たり前なんだろうけど、それにしたって空気が重い。隣にはアパートやコンビニがあり、門を出れば普通にバスが走っているのに、ここだけ世界が切り取られたみたいだった。

10分ほど待っていると自分たちの番号が呼ばれた。ノートと筆記用具以外面会室に持ち込めないので、荷物をロッカーに預け金属探知機を通る。面会室に入ると本当にドラマや映画で見るあの部屋だった。狭くて、アクリル板で分けられている。面会した方は心穏やかで優しい方だった。「なんでも聞いてください ここの生活のことも」とと仰っていたけれど、わたしはその人のことが知りたくて好きな映画や本のことを聞いた。それにしたって地獄のような場所だった。寒すぎて肺炎になったらしい。冷暖房ないから。壁がカビでどんどん黒くなるらしい。壁を見つめることしか出来ないから日々壁を見つめていたら色が変わっていき、恐怖を感じたらしい。そりゃそうですよね、、と心から同意した。拘置所は刑務所とは違うので刑務作業のようなことも無いし、基本的にすることがない。座るのも正座かあぐら、壁に寄りかかることも出来ない状態がずっと続く。面会した方は15ヶ月この状態だそうだ。まさに人質司法。

罪を犯した人に必要以上に優遇する必要は無い。ホテルのようなベットやソファ、バスタブを用意しろなんて言わない。けど収容されている彼らも人間なのだから、人として生活する最低限は保つべきではないか。寒くて肺炎になってしまうなんてまるで捕虜のよう。冷暖房は必要だと思うし、運動や勉強する機会をきちんと確保すべきではないか。地獄は私たちの近くに、静かにでも確実にあることを知る一日だった。

帰りに先生とスタバでお茶して帰りましたとさ。ちゃんちゃん。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?