10日間瞑想し続けた日々を経て、HSPへの理解が深まった話
5年間の大学生活、
そして17年間の学生生活の終わりを
間もなく迎えようとしている2022年3月。
人生の約3/4を締めた学生生活終了への不安、
新たな人生のスタートに対する希望、
じきに訪れる経済的自立への高揚感と焦燥感。
ありとあらゆるぐちゃぐちゃに入り混じった
思いを抱えながら、
俗に言う ”HSP” である私は
10日間で100時間以上瞑想を行うという
ヴィパッサナー瞑想の合宿に参加した。
* * *
瞑想から帰ってきてよく聞かれる、
という質問に、今なら
と回答すると最近気づいたので、
「瞑想をしたらHSPへの理解が深まった」理由を
考えてみた。
今日はそんなお話。
HSPと私、HSPの私
ご存知の方も多いかもしれないが、HSPとは
"Highly Sensitive Person(=非常に感受性が強く敏感な気質もった人)" のことである。
とてもざっくりと言うと
「人よりも感じる力が強い」が故に
「感受性が豊か、つまり様々な感情を感じやすい」
人のことだ。
そして私はHSPの一人であり、
などと、感情が止めどなく氾濫するような現象を
日々経験してきた。
「HSPは大切で、素晴らしい個性の1つである」
と色んなメディアや本は言うけれど、
「感情をコントロールできる人こそが社会人の鏡であり、仕事ができる要素である」
という社会の雰囲気を感じ取っていた
当時の私からすると、
これから社会の荒波に出ていく時に
HSPである私 という事実は
感情をコントロールできない象徴 であり、
ただただ「お荷物な個性」
という認識でしかなかった。
そんなHSPに対する捉え方が、
瞑想と出会って「感情の生まれ方」を知って、
ほんの少しだけ変わった。
感情は4つのステップで生まれる
結論、感情は大きく分けて
4つのステップで生まれると瞑想に行って気がついた。
【感情が生まれる4ステップ】
①感覚(=事実)が生じる
②生まれた事実をそのまま受け取る、または解釈する
③事実を解釈する場合、事実を "良い" "悪い" と解釈する
④感情が "解釈" に基づいて生まれる
この感情の生まれ方を
AさんとBさんを通して見てみよう。
【空が晴れている場合】
晴れた空を見たAさんは、
「あ、空が晴れているな」と感じる。
(=事実をそのまま受け取る)
一方のBさんは、その事実を
「晴れた日は外でピクニックができて気持ちよかった」という過去の経験から、
「空が晴れている」ことは良いことだと解釈し
(=事実を解釈する)、
プラスの感情を生み出す。
【空が曇っている場合】
曇った空を見たAさんは、
「あ、空が曇っているな」と感じる。
(=事実をそのまま受け取る)
一方のBさんは、その事実を
「曇りはいつもジメジメしているから不快だ」
という過去の経験から、
「空が曇っている」ことは悪いことだと解釈し
(=事実を解釈する)、
マイナスの感情を生み出す。
つまり、事実をそのまま受け取るAさんは
感情が生まれず、
事実を過去の経験から「良い」「悪い」と解釈する
Bさんは感情が生まれるのである。
これが、私達が感情を生み出す大まかなメカニズムである。
感情の量の差はどこで生まれる?
感情が生まれるかどうかは、
人によって以下の3点で差が出ると考えている。
①感覚器官が 感覚 を捉える回数
②事実を事実のまま捉えるか、事実を解釈するかの割合
③事実を ”良く”解釈するか 、”悪く解釈する”かの割合
①は個々人の感覚器官の敏感さ(=敏感さ)によって、
②③は個人の過去の経験によって差が生まれる。
つまりHSPの人が
「人よりも様々な感情を感じやすい」のは
感覚器官が敏感で、
①感覚器官が感覚を捉える回数が多くなるから
だと考えられる。
②③の割合が全く同じであっても、HSPの人の方が
感覚器官が感覚を捉える回数が多いため、
結果感情が生まれるサイクルが多くなり、
感情を感じやすくなる。
これがHSPの人が、人よりも様々な感情を感じやすくなる理由だ。
結局、感情とうまく付き合うにはどうすれば良いの?
結局、感情とうまい距離で付き合えずに
苦しむということを少なくするには
どうすれば良いのだろう。
①感覚器官が感覚を捉える回数 が多い人
感覚器官が外の対象物と触れる回数を減らす
と良いと思う。
「繊細さん」の本に書いてある
・ヘッドホンをつけて外部の音をシャットアウトする
・アイマスクをして光を遮る
・ブルーカットレンズのメガネでブルーライトを浴びる量を減らす
とかがこれに当たる。
外側からの刺激を減らしていく、ということだ。
②③事実を解釈する割合が高い人
事実を解釈せずに、
事実を事実のまま捉える癖を作る
ということが必要になるだろう。
ここでは事実を事実のまま捉えるための
How toは記載しない。
(なぜならこのHow toがヴィパッサナー瞑想であり
10日間、100時間以上かけた実践によってやっと理解できたからだ。)
ただ、ここで伝えたかったことは
感情が発生するまでの流れを理解し、
その上でHSPという性質を見てみると
「あ、ここが自分の苦しみの発生源になっていたんだ」と
少し自分の状態を客観視して
受け止められるようになるかもしれない
ということだ。
少なくとも自分はそうなった。
* * *
ちなみに10日間のヴィパッサナー瞑想では
「事実を事実のまま捉える癖を作る」ため、
「事実を解釈するという行為から、
感情や苦しみが生まれる」
ということをまずは自覚し、
その上で「事実を解釈しない練習をする」
ことを行ってきて、
今でも日々の瞑想を通して、
「事実を事実のまま捉える癖を作る」
ことを行っている。
実際に参加したヴィパッサナー瞑想のリンクを貼るので、興味のある方は見てみるとよいと思う。
あとがき
今回このnoteを書きながら
「やっと瞑想とHSPに関するnote書けてよかった〜!」と、しっかり"良かった"と思う程に、
「事実を事実のまま捉える癖を作る」ことや
瞬発的に"良い" "悪い"と反応しないことは
つくづく難しいな、と思う。
しかも、生きていく中で不変なものは何ひとつなく
いつか自分が抱えた感情も消えてしまうのであれば、
刹那にこの胸に抱いた感情をまるっとひっくるめて
抱きしめて噛みしめることこそが、
生きていくということなのかもしれない。
* * *
今はきっと、聖人と俗人の狭間で揺れていたいんだと思う。
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