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お風呂がオーバーするから「オーバーフロー」だと思っていた

今日は「自分の中でとても小さな当たり前が崩れた瞬間」の小話を1つ。
ぜひ、ゆるりとお付き合いください。

🛁 🛀 🛁

皆さんの家では、お風呂に溜めたお湯が溢れそう/溢れることをなんと呼ぶだろう。

「お湯が溢れた」「お湯がいっぱいになった」
など、だろうか。

我が家では違う。
お風呂が溢れることを、「オーバーフロー」と呼ぶのだ。

小さい頃から私の両親は、

母「さよー!(お風呂が)オーバーフローしてるから早く止めてー!」
父「今日のお風呂はオーバーフローだな」

オーバーフローの例文

と、このようにお風呂が溢れそう/溢れることを、生きる上で呼吸をするかのように、当たり前に「オーバーフロー」と呼んでいたので、私も水が溢れたお風呂のことをオーバーフローと呼んでいた。

それも、当時の私の中では

水が溢れたお風呂
=(水が)オーバーした(お風呂)フロ
=オーバーフロー

オーバーフローとは、(水が)オーバーした(お風呂)フロだ

だと変換されていて、オーバーフローとは
”父と母が作ったダジャレのような造語”
だと、そう思っていたのだ。

🛁 🛀 🛁

時は経ち、高校2年の頃。
大学受験に向けて、せっせかとユメタンを開き英単語を覚えていた時のこと。

💭 回想始 💭

次の単語は…

【overflow】òuvərflóu
(動)〔液体が〕あふれる、あふれ出る
(名)   あふれること

英辞郎より

読み方はòuvərflóu(オーバーフロー)か。

オーバーフロー。
え。なんか聞き馴染みがとてもあるような…

あ、うちのお風呂のオーバーフローと音が全く同じだなぁ、、
それも、overflowの意味は溢れる。

え?うちのお風呂のオーバーフローと意味が一緒じゃんか!!!

ええええー!!
これ、偶然すぎ!
偶然、すごすぎん???

!!!!!!!!!!

💭 回想終 💭

こんな偶然あるのか?と思うよりも、早く両親にこの偶然を伝えねば…!と意気込んでその日は帰宅した。

🛁 🛀 🛁

私「お母さん、お風呂が溢れることをオーバーフローって言うじゃん?英語にも、overflow(オーバーフロー)って言葉あるんだって!!知ってた??」
母「知ってたよ〜!笑 大学の実験の時に、容器から液体が溢れることを”オーバーフロー”って言ってたのよ。だからお風呂もそう呼んでたの。」

オーバーフローの語源を知った瞬間

母から返ってきた、まさかの「知っていたよ」の一言。

えええ!
うちの母、知ってたんかい!!

まさかの、偶然の一致でもなんでもなく、
そもそも、オーバーフローって言葉は”父と母が作ったダジャレのような造語”でもなく、それも、実験で使う用語から、正しい意味としてoverflowをお風呂に使っていたなんて。

お風呂がオーバーするからオーバーフローじゃないかーい!
英単語でoverflowって言葉があったんかーい!

と、その日は家でずっと叫んでいたように思う。


17年間あまり信じてきた、とても小さな当たり前が崩れた瞬間であった。笑

それにしても、お風呂が溢れるからオーバーフローだという幼いながらのこじつけが、偶然にも英単語で何かが溢れるというoverflowに重なるとは。
今でも、我ながら驚きである。

🛁 🛁 🛁

ちなみに最近の帰省で知ったのだが、

最近の我が家では、なんと、お風呂が自動的に丁度いいお湯の量を入れてくれるお湯張りという機能が付いているため、

オーバーフローをする事が無くなってしまったらしい。

家計には優しいのだが、子供心としてはこの先一生、
母の「オーバーフローしてるから早く止めてー!」という言葉も
父の「今日のお風呂はオーバーフローだな」という言葉も
出てこないのかと思うと、

思い出が便利さによって風化されていくのを目の当たりにするようで、少し悲しいような、寂しいような。

🛁 🛀 🛁

帰省の思い出に、実家の広いキッチンで思う存分スイーツ作りをした写真を載せます。自己満になります。

フルーツを入れすぎた牛乳かんは
牛乳かん、というよりもフルーツに寒天が混じったような不思議なスイーツになりましたとさ。


梅ジャムのパウンドケーキは、台湾のパイナップルケーキのようで美味しかった。満足。

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