記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

創作物感想録⑥:ミラベルと魔法だらけの家

映像は美しい。音楽も素敵。ただし、脚本がいまいちかもしれない。
そのような感想を抱きました。(食事を作りながら見ていたので、見落としてたシーンなどがあったかもしれません。)

本物語における主役級のミラベルとアルマおばあちゃんの「変化」に納得できなかった。物語の序盤で「アルマ腹立つなぁ~、ミラベル可哀そう
」と作り手の意図した通りの感情になっていた分、後半のプロットで示される二人の変化が物足りなく感じてしまいました。

アルマおばあちゃんを好きになれない

「魔法の力がギフトなのではなく、家族一人ひとりの存在そのものがギフト」というメッセージを持つ本作。しかし、全て(魔法の力と家)を失ってからでないとアルマがそのことに気付けなかったという物語の構成は納得感がなかったです。

アルマおばあちゃんが「二度と故郷を失いたくない」との強い想いが障害となっていたと告白していましたが、それを聞いても「だったらしょうがないよな」と思わせてくれるだけの描写がなかったように思います。

また、仮にその想いが強かったのであれば、全てを失った瞬間にもっと絶望して自らを省みる余裕もないのでは?と思ってしまいます。

また、個人的にはアルマがミラベルに直接的な謝罪の言葉を述べなかったことにも怒りを覚えました。(これは日本語訳の問題?)

ミラベル、あなた主人公なのに…

主人公・ミラベルの見せ場がほぼなかったことも釈然としません。
魔法が使えないという設定上しょうがない部分はありますが、彼女はどうしても物語における「引き回し役」のようにしか思えなかったです。(漫画でよくいる戦況や技を解説してくれるモブキャラ)

彼女は基本的に、皆の魔法に巻き込まれていくスタイルで、それらのシーンは「ミラベルのシーン」とは思えない。

魔法の家が崩壊する中、灯を守りに行くシーンは彼女のシーンだったかもしれないが、結局目的は成就できない。

そして、最終的に魔法の家が復活するシーンも、ミラベルの力なのかよく分からず(他の人でも同じ結果になった?)、彼女の活躍シーンとは言い難い。

私自身は、主人公が”ならでは”の能力を発揮して困難を打開するシーンを物語に期待しているんだなと改めて感じました。

その他

「家族」をテーマにした物語にも関わらず、その家族の関係性において不自然に思えるシーンが複数あった。その不自然さゆえ、物語の世界に没入しきることができなかった。例を挙げると以下のシーン。

・アントニオのギフトを祝う集いをからミラベルが離脱したことに、に誰も気付いないシーン。特に両親ならミラベルのことを気遣うはずではと思ってしまった。
・ブルーノが家に住み続けてることに、誰も気付いていないシーン。キッチン横に設けた居住空間で生活しているのだがら、さすがに物音とかして気付かれそう。

また、上記2つとは少し経路は違いますが、ルイーサがブルーノの部屋を訪れるようミラベルを促したシーンも、流れがよく分からず、わざわざ促す=何か秘密を知っている=ルイーサが黒幕?という風にも思ってしまいました。

まとめ

ネガティブな記載が増えてしまいましたが、映像と音楽は本当に素敵な作品ですので、ぜひ一度視聴してください!



この記事が参加している募集

#映画感想文

66,844件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?