爆笑問題と 3

TBSラジオで出迎えてくれたプロデューサー氏に、ぼくは最初に言った。
「何度も聞きますけど、本当にぼくで大丈夫なんですか?」
どんだけ自分に自信がないんだ…。
しかし、
「プロデューサーの私が大丈夫と言うから、大丈夫です」
という温かい言葉にほっとする(もっとも、「あ、冷静に考えたら、やっぱり大丈夫じゃないですね。お帰り下さい」と言われてもショックだけど)。

番組は、楽しく盛り上がった。田中さんが、一緒に番組をやった当時のことをよく憶えていてビックリした。二人の質問は『幸せな裏方』のエピソードに関するものが多い。忙しいだろうに、事前に本を読んでいてくれたのだ。ありがたい。
そのエピソードの中に出てくるぼくの最初の本(『死人にシナチク』というとんでもないタイトル)まで、太田さんが取り寄せて読んでいたことに、さらにビックリ! とっくの昔に絶版なのに。

そしてもう一つ。(ムムッ、やるな!)と内心うなった質問があった。
『幸せな裏方』の中でぼくは、番組でご縁がある森山良子さんやイルカさんなどいわゆる団塊の世代のミュージシャンたちを「目の上のタンコブ」と書いていた。むろんミュージシャンと作家はジャンルが違うので、マジでそう思っているわけではない。一つ上の世代として、いつも意識し続けているという意味だ。
ところが、太田さんはそこから飛躍して、
「高田文夫さんなんか、青銅さんにとって目の上のタンコブなわけでしょ?」
と質問してきた。これには驚いた。
驚いた理由は二つある。
① いっこく堂を媒介とした高田さんとのエピソードは『幸せな裏方』には書いていない。『ラジオにもほどがある』という別の本に書いていたのだ。太田さんはそっちも読んでいたのか、という驚き。
② 二つの本に書いてある別のエピソードを関連付け、「同じ作家として、高田文夫は藤井青銅の目の上のタンコブにあたるのではないか?」と推測した驚き。

誰かに指摘されるまで、自分では気づかない自分の気持ちというものがある。
ぼくは自分自身、今まで高田さんをそんな風に思ったことはなかったのだが、言われてみて初めて(ああ、たしかに目の上のタンコブ世代にあたる)と気づいたのだ。太田さんの鋭い指摘に、うなった。

さらにそこから、田中さんが、
「俺らにとっては、マンザイブーム世代がそうなんですよ」
と広げたことにも、うなった。
あの大きなマンザイブームのあと、当時若手のウッチャンナンチャンやダウンタウンなどが「お笑い第三世代」と呼ばれ、爆笑問題はその最後尾あたりに位置付けられていたのだ。そうか、たしかに目の上のタンコブだよなあ…。
爆笑問題はデビュー以来ずっと売れ続けている(一時ちょっと、アレな時もあったけどね)。その理由がよくわかる素晴らしいトーク力だった。

実は、二人も忘れているだろうある番組のネタや、アシスタントの江藤愛アナウンサーへのネタもヒソカに用意していたのだが、盛り上がったので出す必要がなかった。ちょっと残念。でも楽しかった。

お読みいただき、ありがとうございます。本にまとまらないアレコレを書いています。サポートしていただければ励みになるし、たぶん調子に乗って色々書くと思います! よろしくお願いします。